脳の健康にもいいという歴史街道歩きが人気になっている。どんな歩き方をすればいいのだろうか。また何を頼りに歩くといいのだろうか。専門家に聞いた。
【外国人にも人気の中山道。あなたのそばにも歴史街道が】「中山道は近世日本史の跡が残り、馬籠・妻籠・奈良井などの宿場周辺は特に雰囲気があります」と魅力の理由を説明するのは、歴史街道歩き専用ウオークマップを出版している風人社・大森誠社長だ。最近は、この辺りを歩くインバウンド外国人も多い。海外の旅行代理店が日本旅行で日本を体験するのに最も適しているとして、中山道歩きを推奨しているそうだ。
全国各地には、それ以外にも魅力的な歴史古道が多い。関東地方や周辺各地の方に手軽なのは大山街道。江戸時代に流行した大山詣でのために各地から大山阿夫利神社(神奈川県伊勢原市)を目指した30ほどのルートだ。路傍に大山道の道標や道祖神などの石造物を発見できるという。
中部地方の佐屋街道は東海道の海路・七里の渡しの裏街道。宮宿から陸路で桑名宿へ至る。船旅に弱い女性や子供が多く通った。また九州の長崎街道は小倉と長崎を結ぶ。江戸時代に整備された歴史の道であり、享保年間にはべトナムから来た象も歩いたとされる。
一方、人の住む集落と集落の間にある普通の生活道として利用されている古道でも建造物や地形の痕跡をたどりながら歩くことができる。大森社長自身は古い地形図を持って、消滅した地形や寺社・石造物などを確認しながら歩く。単なるウオーキングよりは軽い緊張感を持って歩くという。普通の道でも発見があり、それらを自分の目と頭で確認する喜びがある。道で出会った地元の人に古道について尋ねるのも楽しみの一つだ。
【地図を片手に道を歩けば健康も知的好奇心も充実】歴史街道歩きのための入門書なども出版されているが、身構えて準備勉強のようなことは必要ない。ウオークマップを片手に「何か面白いことがないかな」と思って歩くのがいい。すると、ただぼんやりと歩いているうちに「犬も歩けば棒に当たる」ことがあるそうだ。
このように、できれば歴史街道歩きに向いたウオークマップを利用すると効果的だ。大森社長の風人社では1万分の1地形図に旧道を示した「ホントに歩く」というシリーズのウオークマップを発行している。
「PRになってしまいますが、“ホントに歩く”読者のために地形図に行程を描き入れた詳しい地図です。一般のウオークマップは、コースの一定部分の概念地図でオンザルートの所要時間しか分かりません。しかし街道歩きではルートを外れて寄り道をしたくなるものです。地図の1センチが実際の100メートルになる地形図は、寄り道しても自分の平均歩行速度から所要時間を教えてくれます。つまり自分の行きたい場所に寄り道できる地図なのです」(大森社長)
東海道や中山道の全行程を途切れなくつなぐシリーズで発行しており、例えば中山道は全17集。中山道の第17集は北浦和~日本橋で、旧道を歩いて東京散歩ができる(価格は各集で異なり1188~1485円)。
この秋は、あなたもウオークマップ片手に面白いものを探そうとする好奇心を持って歴史街道を歩き、脚力と知力を高めてはいかがだろうか。













