大相撲春場所で110年ぶりに新入幕優勝を果たした尊富士(24=伊勢ヶ浜)に、地元の青森・五所川原市から熱視線が注がれている。14日目(23日)の取組で右足首の靱帯を損傷しながらも、執念の強行出場で劇的V。25日の一夜明け会見で「いろんな人から連絡が来るたびに、本当に優勝したんだなと。今年中には三役に上がりたい」と、さらなる活躍を誓った。

 地元の市役所では、13日目の22日からパブリックビューイングを開催。千秋楽には約160人が参加し、大きな盛り上がりを見せた。佐々木孝昌市長(69)は本紙の取材に「幕下、十両の時から強かったので、新入幕で2桁(勝利)はいくと思っていたけど、優勝するとは。ビックリした」と声を弾ませた。

 この日、歴史的快挙を受けて県民栄誉賞にあたる「県褒賞」の授与が決定。さらに「市民栄誉賞」を新設して贈られることも発表された。佐々木市長は「歴史的快挙だったので、市民栄誉賞は私から提案した。議会にも説明が必要なので、議長を通して同意を得た」と説明した。

 同市では、毎年8月に開催される伝統的な祭りの「立佞武多(たちねぷた)」が有名。高さは最大23メートル、重さ19トンの人形灯籠が、人力で市街地の2キロ弱を駆け抜ける。尊富士は13日目から同市の体育協会が贈呈した「立佞武多」の化粧まわしを使用。佐々木市長は「せっかくこの化粧まわしで土俵に上がったので(祭りで)立佞武多の先頭を歩いてもらいたい」と私案を披露した。

 5月の夏場所は東前頭17枚目から大きく番付を上げることが確実。佐々木市長は「次の場所が大事だと思う。ケガをしっかり治して、少なくとも勝ち越してほしい」とエールを送る。故郷のフィーバーは、まだしばらく続きそうだ。