角界内の期待値も急騰中だ。大相撲春場所13日目(22日、大阪府立体育会館)、新入幕の尊富士(24=伊勢ヶ浜)が関脇若元春(30=荒汐)を力強く寄り切って12勝目(1敗)。後続と2差を維持し、1914年5月場所の両国以来110年ぶりの新入幕Vに王手をかけた。取組後は「勝っても負けても自分の相撲を取る」と残り2日間へ向けて気合を入れた。
審判部長の佐渡ヶ嶽親方(元関脇琴ノ若)は快進撃を続ける尊富士について「(土俵上で)全然、緊張していない。元気があっていい。出足に自信を持っている。優勝が近づいた? 本人が自分でたぐり寄せている」と賛辞を惜しまない。角界内では、今場所限りの〝一発屋〟ではなく、ニューヒーローとして本格的に大ブレークすることへの期待も高まっている。
コロナ禍が明けて完全な通常開催となった昨年春場所以降、本場所の客入りもV字回復。6場所連続で15日間の大入りを達成し、今場所も初日から千秋楽まで満員札止めとなることが確定している。それでも、日本相撲協会の関係者は「若貴時代のようなブームが起きているわけではないし、朝青龍や白鵬といった大横綱がいるわけでもない。今の客足がいつまで続くか分からない」と現状を手放しで喜んでいるわけではない。
その上で「お客さんが来てくれている今だからこそ、この先につなぎとめておかないと。そのためには新しいスターが必要。できれば、日本人の若い力士であることが好ましい」と力説した。そうした中、今場所は尊富士と幕内大の里(23=二所ノ関)の2人の若手力士が活躍。尊富士が歴史的快挙を達成すれば、待望の新ヒーロー誕生となりそうだ。












