衆院東京15区補選(4月28日投開票)の告示(同月16日)まで1か月を切った。小池百合子都知事のくら替え出馬の観測が消えない中、格闘家の須藤元気参院議員、元衆院議員の秋元司氏の出馬も取りざたされ、既に各党はヒートアップしている。

 柿沢未途氏の議員辞職に伴う同補選で、最大の関心事は小池氏の国政復帰の場になるかどうかだ。古巣の自民党は裏金問題で大揺れ。小池氏が衆院議員に返り咲き、自民党に復党すれば、秋に行われる総裁選への立候補が可能で、次期首相の座も見えてくるとあって、好機なのは間違いない。

 小池氏は8日の会見で、補選出馬について「今まさに都政で、都議会で予算をご審議いただいているところでございます。都政にまい進しております」と答えている。

 都議会が閉会する今月28日までは動けないところだが、小池氏の動きを封じたともみられているのが、作家・百田尚樹氏が率いる政治団体「日本保守党」だ。イスラム思想研究家の飯山陽氏を擁立した。

 アラビア語がペラペラの飯山氏はカイロ大卒の小池氏に「せっかくですから新旧アラビア語対決で、〝女帝対そこらへんの場末中東研究者〟。ちょっと面白いじゃないですか」と呼びかけていた。

 小池氏が補選に出てくれば、飯山氏から本当にアラビア語で話しかけられる可能性があり、学歴詐称騒動が蒸し返される事態も予想される。自民党も小池氏待ちで候補者を擁立できていないとあって、都議会閉会後に判断を迫られることになる。

 また野党第1党の立憲民主党も動きが鈍い。永田町では出馬が取りざたされている須藤氏の支援に回るとの見方が出ている。

 2019年の参院選に立憲から比例代表で当選した須藤氏は離党し、無所属で活動していた。昨年末に母親が死去し、父親が経営する居酒屋を手伝うために江東区東陽町に引っ越した。連日、地元で活動していることを報告している。

「須藤氏は参院の任期があと1年と迫る中、今月に著書『減税救国論』を出版し、絶好のタイミング。立憲に弓を引いているが、須藤氏が辞職すれば比例で元『モーニング娘。』の市井紗耶香氏が繰り上がって、1議席が返ってくるので現実的には好ましい状況になる」(永田町関係者)

 須藤氏は前回の参院選で参政党への支持を表明したこともあった。その参政党は先週、補選に看護師の吉川里奈氏の擁立を発表した。須藤氏の出馬や連携がないということか?

 参政党の神谷宗幣代表は取材に「須藤さんにその可能性(出馬)はあるということは聞いていたが、我々の方もやらせてもらいますと一言言ってある。(須藤氏は出馬を)ギリギリまで考えているのでは」と話した。須藤氏も小池氏の動向次第となりそうだ。

 また秋元氏の出馬が18日、一部で報じられた。IR汚職事件で一審有罪で、22日に高裁判決が出る。逆転無罪や上告となれば、補選の出馬に支障はない。ほかにも日本維新の会は金沢結衣氏、共産党は小堤東氏が出馬を表明しており、小池氏が不在となった場合にも各党による熾烈なバトルとなりそうだ。