名将の手腕とは? アジアチャンピオンズリーグ(ACL)準々決勝第1戦が6日に行われ、J1横浜Mが山東泰山戦(中国・山東省)で2―1と快勝し、4強進出へ前進した。今季のACLでは日本勢が次々と敗退し、8強に残ったのは横浜Mのみ。今季から就任した〝オーストラリアのレジェンド〟ハリー・キューウェル新監督(45)が、巧みな人心掌握術で名門を悲願のアジア制覇へと導く。

 横浜Mは前半7分にFWアンデルソン・ロペスが左足で決めて先制に成功する。その後はホームの山東泰山に攻め込まれる時間帯もあったが、後半分にFWヤン・マテウスがペナルティーエリア手前から左足で貴重な追加点を奪った。

 その後は終盤に1点を返され、相手は危険なプレーを連発。後半アディショナルタイムには、山東泰山のスタッフがMF喜田拓也や横浜Mのコーチを小突くなど大荒れの展開となった。それでもイレブンは動揺することなくしのぎ、アウェーで大きな1勝を手にした。会心の勝利に、殊勲のマテウスは「チームとしては、すごくいいパフォーマンスを見せることができた」と胸を張った。

 今季のACLで日本勢は浦和、川崎、甲府がすでに敗退。その一方で、横浜Mはクラブ史上初の8強進出を果たし、決勝トーナメント1回戦で川崎を沈めた難敵の山東泰山をアウェーで撃破と破竹の勢い。この快進撃をけん引するのが、今季就任したキューウェル監督だ。現役時代にオーストラリア代表のエースに君臨。イングランド・プレミアリーグのリバプールやリーズなどでも活躍し〝オズの魔法使い〟と称されたレジェンドだ。

 指導者としてもその才覚を発揮しており、昨季コーチを務めたスコットランド1部セルティックでは日本代表FW前田大然も師事。マンツーマン指導を受けた前田は「自信なくプレーしていて、その時に『もっとできる!』と声をかけてくれた。『1対1なら勝負しろ』と言ってもらって、それが良いパフォーマンスにつながっている」と熱心な指導に心酔している。

 そうした〝熱男〟ぶりを横浜Mでもいかんなく発揮。FW宮市亮は「自分自身、すごく自信をもらえるし、やってやろうという気持ちになる。監督からもらう言葉の一つひとつがすごくポジティブ。それが本当に多いので、ポジティブなエネルギーをもらってピッチに入れる」とその効果を実感している。

 そのキューウェル監督は「どんな試合でも簡単な試合はないというのはハッキリしている。タフな試合が毎試合続いていく」と新天地で臨む今季に並々ならぬ意欲を示す。世界を知るレジェンドが、日本、そしてアジアで名将の階段を駆け上がる。