【Buzzの本懐】チューリッヒ保険会社が展開するユーチューブチャンネル「Green Music」を直撃するインタビュー。後編ではコンテンツの〝肝〟である、アニメーションに対するこだわりや、昨年からチャンネルの人気をさらに押し上げた、VTuberとのコラボについてもじっくりと話を聞いた。

 ――どの場所のアニメーションになるか、ということは作曲者には伝えているのですか?

 石坂智氏(制作担当=以下、石坂)場所に関しては、作ってもらう前に伝えるようにしていますね。

 佐藤司氏(進行管理=以下、佐藤)アニメ―ション監督の新井陽次郎さんが絵コンテのラフを描いてくださるので。そちらを作曲される方に確認していただいて、作品のベースにしてもらっています。

 石坂 中には舞台が全くゆかりのない場所だった際に、実際に現地を訪問して準備されるアーティストの方もいらっしゃいます。

 ――運営側として手ごたえをつかんだ作品はありますか?

 佐藤 ロングヒットしているのは上野公園の桜の動画です。ただベランダから桜を眺めている、という動画でしたが、ある日突然再生回数が急増して、そこから安定して視聴されています。それに直近ではやはりVTuberの方とのコラボが大きな注目を集めています。VTuberご本人のSNSアカウントでもコラボを告知していただけるので、〝瞬間風速〟は一気に上がりますね。

上野恩賜公園の桜を映した動画が大人気に
上野恩賜公園の桜を映した動画が大人気に

 ――話を戻して申し訳ありませんが、「実写+音楽」という形で作業用BGMを作ることもできたのではとも感じますが…

 西浦正親氏(日本支店代表=以下、西浦)そこはやはり視聴回数という部分で差がありまして、アニメを取り入れた方がより視聴していただけたというのが現状ですね。

 石坂 「流行する形」を追い求めた結果、アニメにたどり着いたということではありましたから。

 西浦 どうしても会社の取り組みとして、成功しなければならないという側面はあります。数少ない方に〝穴場〟として楽しんでいただくのも良いですが、我々の目的はよりたくさんの方に環境について考えて、行動を起こしていただくことですからね。数字がなくてはそもそも立てたゴールに届かないということです。

 ――そのアニメに関してですが、各動画でかなり画風が変わっている印象があります

 佐藤 直近ではピクセルアートを取り入れた作品や、3Dモデリングを使った作品も公開していますが、それらの工夫は新井監督から自発的にご提案いただくことがほとんどですね。それこそ「ピクセルアートが今〝キテる〟から」みたいに教えていただくこともあって…。

ピクセルアートを用いた動画
ピクセルアートを用いた動画

 ――監督の創作意欲がバリエーションを生んでいる、と

 佐藤 ええ、監督には視聴者を飽きさせないということを意識していただきつつ、流行に合わせてブラッシュアップもしていただいているという形ですね。

 ――動画の長さによって想定している用途は異なるのですか?

 佐藤 ベースは20分の作品ですが、「ずっと聞いているから」ということで長時間の動画を求められる方もいるので、ループ動画やミックス動画も投稿するようにしています。それとミックスにはもう一つ効果がありまして…。そもそも同時期にいくつか20分動画を出しても、どうしても再生回数にばらつきが生まれてしまうんですね。そこで「秋の景色」「雨の風景」といったテーマでくくることで、人気の動画を出発点に違う作品にも触れていただくことができるんです。関連動画やおすすめ欄にも出てくると言われればそれまでですが、運営としても〝新しい出会い〟を体験してほしいという思いはありますね。

 ――加えてVTuberコラボの経緯も教えてください

 佐藤 さらに若い世代のファンを獲得するとなった時にはやはりコラボが必要と思っていまして。既存の視聴者との親和性を考えて「VTuber」という存在が浮かび上がりました。ちなみにゲーム好きな方は「Green Music」が好きという関連性もあったので、ゲームキャラを登場させようという案があったのも事実です。ただ最終的に「〝チル〟が似合う」という点で「にじさんじ」の皆様にお声がけしました。

人気VTuber・町田ちまとコラボ(ⒸANYCOLOR, Inc.)
人気VTuber・町田ちまとコラボ(ⒸANYCOLOR, Inc.)

 ――ファンからはどのような反響が?

 佐藤 まずは驚きのコメントが多かったですね。「次はこのライバーなんだ!」という喜びの反応もありました。後はアニメーションということもあって、〝動き〟が入っていると喜んでもらえますね。

 ――動き、といいますと

 佐藤 例えば秩父の氷柱のアニメーションで「町田ちま」さんに出演していただいた際には、ハムスターのマスコット「ゴンザレス」に登場してもらいましたし、町田さんとゴンザレスが一緒におやつを食べるというシーンを入れました。ただ出演していただくだけではなくて、ファンをくすぐる仕掛けを用意するというのは心がけていますね。正直どの工夫が〝刺さる〟かは公開してみないと分からないので、こちらとしても試行錯誤を続けています。

 ――今月9日には新たに、〝バーチャルシンガー〟の「花譜」さんともコラボされました

 石坂 「にじさんじ」さんとのコラボも大成功でしたので、「アニメ×音楽」との親和性を考えながらコラボ先を探した結果、バーチャルシンガーの花譜さんにお声がけすることになりました。

 ――音楽の内容も花譜さんに合わせていますね

 石坂 そうですね、花譜さんの楽曲を、「Green Music」に合わせてアレンジさせていただいたものを使っています。普段から音楽コンテンツを運営している我々としてもかなりの自信作ですね。

バーチャルシンガー・花譜とのコラボも話題に(ⒸKAMITSUBAKI STUDIO)
バーチャルシンガー・花譜とのコラボも話題に(ⒸKAMITSUBAKI STUDIO)

 ――やはりこちらもファンの反応は良かった?

 石坂 ご本人がプレミア公開のチャットで一緒にコメントされていたこともあって、同時接続者数はこれまでと比較してもトップクラスでした。早速「選曲がいい」というコメントもいただいているので、本当にうれしい限りです。

 ――これだけ音楽に注力しているということは、将来的にはライブやCD・DVDの発売も…

 西浦 コンテンツ自体は充実した数がありますから、権利の問題は解決しながら、ユーチューブ以外でも紹介してきたいとは思っています。以前にはジャズイベントとコラボさせていただいたこともありますし、「まだまだ仕掛けていきたい」という思いはずっとあります。リアルの世界にも視野を広げて、さらに知っていただくきっかけを作っていきたいですね。

 ――最後に視聴している方へのメッセージをお願いします

 西浦 「Green Music」は開始から2年以上が経ちました。今後さらに発展させていくためにも、皆さんからの「これをやってほしい」「この土地を取り上げてほしい」という意見は真摯に受け止めていきますので、これからも末永く応援いただければと思います。そしていつか気候変動に向けて行動を起こしていただけたら何よりですね。

左から西浦正親代表、石坂智氏、佐藤司氏
左から西浦正親代表、石坂智氏、佐藤司氏

【Green Music produced by Zurich】チューリッヒ保険会社が展開する、チル・ミュージックと日本の自然豊かな風景を描くアニメーションを組み合わせた動画が人気のユーチューブチャンネル。人気VTuberとのコラボ動画も話題を呼び、登録者数は16万人を突破している。

 HPは【https://www.youtube.com/@greenmusic_zurich】。