カミソリの切れ味は健在――。れいわ新選組の大石晃子共同代表らが元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏から名誉毀損で損害賠償を求められた裁判で、大阪地裁は1月31日、橋下氏の訴えを棄却した。大石氏の代理人は“無罪請負人”の異名を持つ弘中惇一郎弁護士が務め、弁護士トップ対決の第1ラウンドを制した形だ。
大石氏は衆院選で初当選した直後の2021年12月に日刊ゲンダイにおいて、大阪府知事時代の橋下氏について「気に入らないマスコミをしばき、気に入らない記者は袋叩きにする」「アメとムチでマスコミをDVして服従させていた」などと発言。橋下氏が「社会的評価を下げる内容」と名誉毀損で、翌月に大石氏らに合計300万円を求めて提訴していた。
大石氏は自費で弁護団を結成し、団長に就任したのが弘中氏だ。ロス疑惑の三浦和義氏(故人)や陸山会事件の小沢一郎氏、郵便不正事件の村木厚子氏など多くの著名人の無罪判決を勝ち取った辣腕で知られる。19年に日産自動車のカルロス・ゴーン元会長の弁護を務めた際には「73歳だが、まだカミソリの切れ味があるかどうか試してみたい」と意気込むも保釈中によもやの海外逃亡。弘中氏の責任を問う声も出ていた。
橋下氏はもともと敏腕弁護士で首長に転身。政界引退後は再び弁護士に戻っており、今回は弘中氏VS橋下氏の構図でも注目された裁判でもあった。
弘中氏は「(大石氏の発言は)一つの意見、論評。『しばいた、DVした』というのは比喩的な表現」と主張し、橋下氏の過去のツイートやテレビ報道などを証拠に立証した。小川嘉基裁判長は橋下氏の発言は事実として、それに基づく大石発言は「意見や論評の域を逸脱せず違法性はない」とした。
判決後の会見で弘中氏は「勝訴」と書かれた幕を掲げる場面も。「弁護士を五十数年やっているが、勝ったとしても勝訴という紙は持たない」をポリシーとしていたようだが、会心の勝利に思わずポーズを“解禁”。大石氏は「橋下さんには言論を封じるためにある意味やった裁判だったら『残念やったな』と言いたい」と喜んだが、橋下氏がこのまま引き下がるとはみていないようで、第2Rに突入しそうだ。











