本当の実力は? 大相撲初場所6日目(19日、東京・両国国技館)、新入幕の大の里(23=二所ノ関)が幕内宝富士(36=伊勢ヶ浜)を一方的に押し出して5勝目(1敗)。単独首位の幕内朝乃山(29=高砂)を1差で追走している。鳴り物入りで角界入りした大器の快進撃は、どこまで続くのか。若貴時代の〝最強力士〟が、今後のポイントをズバリ指摘した。

 大の里は実力者の宝富士に完勝。取組後は「良かったと思います。みんな強い相手なので、自分の武器をぶつけていきたい」と初々しく意気込んだ。2年連続アマチュア横綱の実績を引っ提げ、昨年夏場所に幕下10枚目格付け出しでデビュー。昭和以降3位タイの所要4場所で新入幕を果たした今場所は、序盤から大器の片りんを見せつけている。

 審判部の朝日山親方(55=元関脇琴錦)は「すごいですね。強いよ。全体的に見てスケールの大きさを感じるし、破壊力がある。相手の変化とか小細工を一切気にせず、ノビノビと体で一発当たれているのが良い結果につながっている」と高く評価する。同親方は若貴時代に活躍。小兵ながら速攻を武器に優勝2回、三賞18回をマークし「F1相撲」「最強関脇」と称された。

 その達人の目にも、大の里は強烈なインパクトを与えているようだ。ただ、朝日山親方は「このまま星を伸ばしていけば、10日目ぐらいで三役と当たる可能性がある。今は勢いと体力で勝っている。上位になると、みんな相撲がうまいから。今の番付(西前頭15枚目)は相手も十両の延長のレベル。熱海富士も今場所は上位で苦戦している」とも指摘した。

 真の実力が明らかになるのは、これから。その試金石となる格好の対戦相手がいるという。朝日山親方は「三役と対戦する前に、朝乃山と組まれるのでは。朝乃山を相手に、どれぐらいやれるのか。そこがポイントになってくるんじゃないかな」と元看板力士の名前を挙げた。

 昨年の秋場所千秋楽では、優勝争いで首位の幕内熱海富士(伊勢ヶ浜)が朝乃山と対戦して完敗。大関経験者の壁にはね返された。今場所は朝乃山が単独トップに立ち、大の里が1差で追う展開。元大関の人気力士と〝黄金ルーキー〟が賜杯をかけて激突すれば、注目の大一番となるが…。果たして、どうなるか。