死人に口なしで終わらせるのか!? 自民党安倍派などの政治資金パーティーを巡る裏金問題がどこまで拡大するか注目されている。亡くなった細田博之前衆院議長が派閥会長だった時代にキックバックを指示していたとの報道が18日にあり、「死んだ人のせいにするな」と批判が殺到。検察当局はどこまで踏み込むのか。

 TBSは独自ニュースとして「細田前議長がキックバックの金額を具体的に指示か 自民党パーティー券『裏金』問題」と報道した。細田氏は今年11月10日に死去。清和政策研究会(現安倍派)では2014年から21年まで会長を務めていた。これには「人柱にしようとしている」「すべての疑惑を故細田氏にかぶせようとする算段か」などとSNSで批判が相次いでいる。

 一方で一部では森喜朗元首相が会長だった00年ごろにはあったという報道もある。いずれにせよ東京地検特捜部の捜査が本格化するなかで事実関係がはっきりしそうだ。

 当初、永田町では昨年、議員辞職した自民党の薗浦健太郎氏が政治資金規正法に問われ公民権停止となったケースが話題になっていた。

 薗浦氏は政治資金パーティーの収入が収支報告書に不記載だとして政治資金規正法違反で告発を受けた。罰金100万円、公民権の停止期間は3年となっていた。認定された虚偽記入と不記載は4000万円台といわれる。この額が捜査の目安になるのではないのかというのだ。

 これまでは安倍派では松野博一前官房長官の約1000万円超を筆頭に〝5人衆〟に疑惑が直撃。ほかに大野泰正参院議員が約5000万円、「頭悪いね」発言の谷川弥一衆院議員が約4000万円、池田佳隆衆院議員も約4000万円がそれぞれ不記載と疑われる。

 さらに、宮沢博行前防衛副大臣が140万円の不記載を告白し、堀井学前内閣府副大臣も約1000万円、〝キックバックは文化〟の鈴木淳司前総務相も60万円の不記載があったという。

 1000万円ならセーフかと思いきや、18日に読売新聞は特捜部が約1000万円のキックバックを受けた議員から事実関係の確認をしていると報道。永田町関係者は「4000万円ではなく1000万円がラインになるかもしれないとささやかれています」と明かした。

 検察当局の意気込みを指摘する声もある。野党国会議員は「検察は安倍官邸が人事に手を突っ込んだことを恨みに恨んでいる。モリカケ・サクラでもずいぶんと抑えつけられていたけど、やはり人事が一番イヤだったみたいだ」と明かした。

 人事とは黒川弘務元東京高検検事長を巡る問題のことだ。安倍政権は黒川氏を検事総長にするため、定年延長を画策。それは検察当局からすれば疎ましい話だったという。また、モリカケ・サクラとは森友学園や加計学園、桜を見る会を巡る疑惑のことである。

 岸田文雄首相はこの日、「信頼回復のための新たな枠組みを立ち上げる」と話し、政治資金規正法の改正も視野にあると表明。すべてを死んだ人のせいにしては信頼回復はない。