W杯アジア2次予選が国内放送されないという異例の事態が再び迫っている。日本代表が臨んだ北中米W杯アジア2次予選シリア戦(21日=日本時間22日、5―0)は、放映権を巡るドタバタ劇が注目を集めた。ホーム(中立地開催)のシリア協会が持つテレビ放映権の販売を担った代理店が、相場を大幅に超える高額な放映権料を要求。日本の放送局などと折り合いが付かず、国内での中継や配信が行われない異例の事態となった。

 日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長は16日のミャンマー戦後に「最後の最後まで粘って交渉はしていくが〝チキンゲーム〟のような形でお金を釣り上げるとか、そういうことに乗っていくつもりは全くない。儲けようとしているからこうなるわけで。放映権は適切な相場がある」と怒りをにじませ、相手側の法外な要求は断固拒否する姿勢を強調した。

 この一戦はJFAがテキスト速報したほか、一部の海外サイトでネット配信もあり、ファンやサポーターはあの手この手で代表戦をチェックすることになった。異例の事態が話題を呼び、一定の盛り上がりを見せた。

 しかし、一難去ってまた一難。森保ジャパンはW杯予選第3戦で、来年3月に北朝鮮と2連戦(同21日、同26日=いずれも会場未定)に臨むが、そのアウェー戦でもすでに放映権を巡ってきな臭い動きが出ている。

 大手広告代理店の関係者は「北朝鮮はかなりの高額を要求しているようだ」と指摘。中国系の代理店などを利用し、複数の放送事業者に接触しているとみられる。北朝鮮のホーム開催は自国か第3国かも決まっていないが、日本で関心を集めていることは把握しており「シリアの数倍程度」と超強気な放映権料を設定。金正恩総書記が推し進める外貨獲得の戦略も関係しているようで、日本側はまたしても難しい交渉を強いられそうだ。