猛虎の未来を担うニューウェーブは誰か。阪神・岡田彰布監督(65)は26日のドラフト会議について「今年はお客さん入れてテーブルついてやるんやから」と説明した上で1位候補の非公表を宣言。悲喜こもごものドラマがあったほうが「ファンも喜ぶ」とも言い切っている。

 だが、言うまでもなく指名の方向性が「行き当たりばったり」というわけではない。すでにスカウト間と指揮官で共有した1位の戦略方針は「即戦力投手」で一致。常広羽也斗、下村海翔の青学大右腕コンビや東洋大・細野晴希、国学院大・武内夏暉、桐蔭横浜大・古謝樹の本格派左腕3人が1位候補としてクローズアップされているとみられ「大卒投手」は外せないキーワードとなっている。

 大卒投手の獲得は即戦力としてだけでなく、別の狙いもある。同世代の高卒入団組への刺激注入だ。今回の大卒入団組と同学年に当たる4年前の2019年ドラフトでは1位の西純を筆頭に井上→及川→遠藤→藤田と1位から5位までを「将来性重視」とも言える形で、高卒5人を指名。そのうち投手で指名した1位・西純と同3位の及川は、当時の高卒組候補としてトップクラスとされていた。

 今季一軍で西純は先発で5勝2敗。及川も中継ぎとして33試合登板と実績を積み上げつつある。しかし、その一方で2人に関しては「さらにもう一段階、レベルを上げて一軍で中心的な役割をこなす選手になってもらわないといけない選手」(球団幹部)と評されているのが現状だ。中長期の育成ビジョンのなか、今年のドラフトで上位指名され、入団が見込まれる大卒即戦力投手との切磋琢磨を期待する。

 それによって起きる内部競争の激化は球団にとって歓迎すべきシナリオだ。野手では近本、大山、佐藤輝、投手では村上、伊藤将ら今季18年ぶりリーグVを成し遂げた立役者の多くは20代中盤から後半の主力だ。その下の世代の層にも厚みを上乗せし、来季のリーグ連覇とともに黄金時代に向けた布石を打つことが、今年のドラフトにおいて猛虎に隠された〝ミッション〟となる。