沖縄県与那国島の洞窟探検ツアーに参加していた3人が行方不明になっていた遭難事故で、11日に41歳の男性が心肺停止の状態で発見され、死亡が確認された。28歳の男性ガイドと死亡した男性の52歳の妻は11日未明に自力で洞窟から脱出して無事だった。3人は10日午前から探検ツアーに出ていた。何が起きたのか。

 ツアーを企画したアクトプロ(東京都港区)は男性の死亡を受けて、「弊社が企画運営するツアー中に起こった事故であり、弊社に強く責任があると考えております」とホームページ上でコメントを発表。警察や消防と事故原因の究明を進めている。

 男性ガイドは「洞窟内の水位が急に上昇して3人が離れてしまった。水位が下がってから女性と合流でき、2人で洞窟から出てきた」と話しているという。

 与那国町観光協会によると、「現場となった洞窟はメジャーな観光地ではなく、地元の人があまり行くところではない。あの洞窟の探検ツアーをしているのはアクトプロ1社だけだった」という。

 なぜ、こんな事故が起こってしまったのか? 石垣島のプロケイビングガイド・大浜之浩氏はこう話す。

「おそらく雨の影響だと思います。そもそも洞窟は水の浸食によってできるもので、中には地下河川が流れている。基本的に洞窟探検は雨が降っていてもできるスポーツだが、洞窟によって許容できる雨量は異なり、これを見誤ると予期しない水位上昇で事故が起こることがある」

 10日の与那国島の降水量を見ると、午前3時から13・5ミリの強い雨が降り、その後も小康状態になるも午前11時に21・5ミリ、正午に14・5ミリと再び強い雨に見舞われていた。2人が水位が下がった時間を見計らって自力で脱出したあと、救助隊が残る男性を救助するため駆けつけたときは再び水位が上がって近づけない状態だったといい、急激な雨量の変化に水位が影響を受けていた可能性がある。

 近年、洞窟探検の認知度は広まり、年々ツアー参加者も増えているが、大浜氏は「洞窟は一度中に立ち入ると、外部との連絡は遮断されるので、各気象データを見て、的確な状況判断を下さなければいけない。参加者にも相応の体力が求められるので、不適格と思われる人には断念してもらうこともある」と話した。

 果たして今回の事故で、その的確な状況判断はなされていたのか? 今後の究明が待たれる。