あっけない幕切れだ。大相撲秋場所千秋楽(24日、東京・両国国技館)、大関貴景勝(27=常盤山)が幕内熱海富士(21=伊勢ヶ浜)との決定戦を制し、11勝4敗の成績で4場所ぶり4度目の優勝を果たした。

 勝負に徹した。貴景勝は立ち合いで左へ変わり気味に動き、前のめりになった熱海富士をはたき込んであっけなく決着をつけた。大熱戦を期待した超満員の観客からは、大きなタメ息。館内はしばらく騒然とした雰囲気に包まれた。

 それでも、15日間を通じて大関の務めは果たした。霧島(陸奥)と豊昇龍(立浪)の両大関が脱落していく中、最後まで逆転を信じて優勝戦線に踏みとどまった。表彰式の優勝力士インタビューでは「うれしいです。絶対に負けられないという強い気持ちでやりました。(決定戦は)右差しを徹底して封じようと思った。ああいう形で決まるとは思わなかったんですけど、集中して自分のやるべきことをやりました」と胸を張った。

 7月の名古屋場所は両ヒザの故障で全休。今場所は自身7度目のカド番で迎えた。貴景勝は「本当につらい7月を過ごしてきた。でもトレーナーさんだったり、いろんな人に支えられた。もう一度奮起して、もう一回夢の横綱に向かって、どうしたらいいのかを考えてきた。9月(秋場所)である程度の成績は残せたので、無駄じゃなかったかなと思っています」と苦難の日々を振り返る。

 この先に向けては「大事なところでケガしてしまうのは、まだまだ自分の本当の強さがまだ備わってないから。ケガしない強い体づくりというのも、横綱になるための資質だと思っているので。もう一度そこを考えて、体が小さいなりにも一生懸命頑張っていきたいです」と決意を新たにした。

 11勝4敗での優勝は1場所15日制以降では4度目。横綱昇進の条件は「大関で2場所連続優勝、またはこれに準ずる好成績」とされる中、審判部長の佐渡ヶ嶽親方(元関脇琴ノ若)は「11勝ですからね。来場所、千秋楽まで見てみないと何とも言えない」と慎重な姿勢を示した。来場所の綱とりを果たすためには全勝優勝などのハイレベルな成績が求められる可能性が高い。和製大関は、高いハードルをクリアして綱をつかめるか。