元大関が〝大関の壁〟に阻まれた。大相撲秋場所6日目(15日、東京・両国国技館)、幕内朝乃山(29=高砂)が新大関豊昇龍(24=立浪)の下手投げに屈し、連勝発進から4連敗。大関3連戦で全敗し「結果を受け止めるしかない。稽古や心技体が足りない。これが今の自分の実力。最初の2日間は何だったんでしょう。幻?」と自嘲気味に語った。

 先場所は左上腕を痛め、夏巡業では右足親指を負傷。十分な稽古が積めないまま本番を迎えた。元横綱の鶴竜親方(38)は「本来の実力からすれば、物足りない。ケガで場所前の稽古ができなかったと聞くし、その影響があるのでは。(大関だった2年前とは)上位の顔触れも変わっているし、周りも力をつけている。稽古が足りていないと、簡単には勝たせてくれない」と指摘した。

豊昇龍(左)の下手投げで、土俵下まで転がされた朝乃山
豊昇龍(左)の下手投げで、土俵下まで転がされた朝乃山

 朝乃山は1年間の出場停止から復帰後、ここまでは順調に番付を上げてきた。ただ、元大関と言えども、稽古不足で通用するほど幕内上位は甘くない。復帰後は横綱大関に1勝4敗という成績が、朝乃山の〝現在地〟を物語っている。それでも、朝乃山が当面の目標に置く三役復帰の可能性までがついえたわけではない。

 鶴竜親方も「地元やファンの期待を感じながら、もう一度頑張ってほしい」とエールを送った。ここで踏みとどまり、大関復帰への道筋をつけられるか。