【我ら演歌 第7世代 5人が駆ける】アイドル並みの人気を誇る若手男性演歌歌手5人による「演歌第7世代」の短期不定期連載がスタート! その第1弾は“長男格”辰巳ゆうと(25)の登場だ。「第7世代」のステージで“演歌界の王子様”は、歌唱でファンを魅了するのはもちろん、個性の強いメンバーをうまくまとめるお笑いトーク術で後輩歌手からも尊敬されている。

 辰巳は2018年に歌手デビュー。今年6年目を迎え、9月13日には今年2枚目となるシングル「星くずセレナーデ」をリリースする。

「今作はピュアなラブソングです。前作のシングル『心機一転』が演歌だったので、いい意味でギャップもあります。いろいろな辰巳ゆうとをみなさんに感じていただければ」

 演歌にとどまらない楽曲も届ける辰巳が、ソロ以外で活動の幅を広げているのが「演歌第7世代」だ。辰巳、二見颯一、新浜レオン、彩青(りゅうせい)、青山新の5人が集まりステージでファンを魅了する。

「これまではライバルでしたが、今は番組でも5人のうち誰かが一緒にいるだけで安心感があるし、仲間という感じが強いです」

 5人の中ではデビューが一番早く、他のメンバーから「辰巳さんは気を使ってトークを回してくれる」とMCで中心的存在になっている。

「個性の強い人が集まっているので、MCでも(青山)新くんがトークできていないなとか、みんな平等に話せているかなって気にすることはあります。ただ、もともとお笑いが好きなんです。本当は自分がボケたいんですが、第7世代ではツッコミに徹しています」

 大阪出身で子供のころは家族ぐるみで、吉本新喜劇を見て育ったという。

「お笑い芸人さんへのリスペクトは半端ないです。仕事で一緒になると、緊張して話せなくなる」

 高校時代には文化祭でネタを考え、お笑いを披露したこともあり、「歌手になっていなかったら、NSC(吉本総合芸能学院)に入っていたかも」と冗談交じりに話す。

 中でも「フットボールアワー」の後藤輝基は光り輝く存在だ。特に何かに例えてツッコむ“例えツッコミ”は辰巳の心を捉えて離さない。

「後藤さんのツッコミは、お互いが面白くなるんです。それまでは後藤さんの番組を普通に楽しんで見ていたのですが、最近は『こういうボケには、こうやってツッコむのか』と勉強しながら見ている。実際に、第7世代のステージで同じようなボケが出たとき、ツッコんだりもした」とお笑い研究にも余念がない。

 それだけに「第7世代の誰かと一緒にM―1グランプリに出たいんですよ。僕がネタを作ってどこまで行けるか試してみたい」とひそかな野望も掲げるが、「この話をするとみんな下を向く(笑い)。誰も一緒にやってくれない」とぼやく一幕も。

 多方面に活動するが、心身をリフレッシュする方法もいろいろある。デビュー翌年にコロナ禍となり歌手活動が制限されたため、趣味が増えたという。

「時間があったのでキャンプにはまりました。休みがあればキャンプ行って、自然の中でボーッとしたりするんです」

 キャンプでの食事を充実させるために釣りも始め「最近は登山も始めました。山登りって大変で、心が折れそうになるんですが、その苦しさを乗り越えて山頂に着いたときの達成感は、ほかに代えられないものがあるんです」。

 この登山の感覚が人生にも似ているようだ。「仕事でも苦しくてくじけそうになるんですが、この困難を乗り越えると違った景色が見えてくる。そういう感覚です」とも語る。

 コロナ禍が収束したため、キャンプなどのアウトドアに時間を取れなくなったが、手っ取り早くリフレッシュできるものが見つかった。サウナだ。

「地方に行くことが多いので地方のスーパー銭湯を探します。見つけてサウナに入ると、うれしくなります」

 辰巳はサウナで心身をととのわせ、第7世代を引っ張っていく。

【演歌第1~6世代】今回登場した辰巳らの直近となる「第6世代」は、いずれも1980年代前半生まれの三山ひろし、山内惠介、丘みどりが代表格と言われる。その上の第5世代は、70年代生まれで平成デビューの氷川きよし、水森かおりら。

 世代分けに明確な基準はないようだが、第1世代は戦後歌謡の黄金時代を築いた三波春夫、三橋美智也、春日八郎らにさかのぼる。以後、美空ひばり、島倉千代子らの第2世代、北島三郎、五木ひろし、森進一といった現在「大御所」格と引退した都はるみが第3世代を象徴し、第4世代の細川たかし、八代亜紀、石川さゆりらへと続いている。

☆たつみ・ゆうと 1998年1月9日生まれ、大阪府出身。2010年に出場したカラオケ大会に優勝し、現所属事務所にスカウトされる。18年1月に「下町純情」でデビューし、第60回日本レコード大賞の最優秀新人賞に輝く。23年1月に発売した6枚目シングル「心機一転」でオリコン週間演歌・歌謡シングルランキングで通算10回1位を獲得。演歌第7世代としては8月26日に東京・昭島市のFOSTERホール、10月15日に千葉・八千代市市民会館大ホールでコンサートを開催する。