【第18回 アダムとイヴが林檎を食べてから♪】

 相変わらず昭和歌謡テイストでお送りしています! 名曲「林檎殺人事件」はご存じですか? 1978年の発売でテレビドラマ「ムー一族」の挿入歌。私は小学生でしたが夢中になりました。当時、郷ひろみさんが22歳、樹木希林さんが35歳。いろんな意味で衝撃を受けました。ウィキペディアには、この歌は一般的なイメージの「素敵な男女」とは別物の凸凹ペアの樹木さんと郷さんが、雌雄の区別がない両性具有のような存在とするのがコンセプトだったと書かれています。しかも、曲中の「フニフニフニフニ」は、そのコンセプトに基づき、二つとない、実際は一つと言う『不二』を意味してたと! 深い。

 そもそも私たちはなぜ、男と女の2つに分けられて生きていかなければいけないのか――。男と女がどのようにしてこの世に生を受けたのか、そのルーツを求めて数々の神話も生まれました。最も知られていて、人類の歴史に影響を残している男女誕生物語は、聖書の「アダムとイヴ」。

 神さまは、まず天地を分けて、地上に男・アダムを創った。そして、そのアダムの肋骨の一本をとって、女・イヴを創り、お互い助けあって生きるように命じた。ところが、アダムとイヴが禁断の木の実を食べてしまい性に目ざめたことで、相対立するものとして意識するようなる。そこから男女の葛藤やむつみあいも始まり、男と女は、ときにきわめて近くもあり、ときに遠くにもなる不可思議な関係になってしまった。もちろんこれは神話であって、生物学的にはなんら根拠はありません。

 私たちが男と女の2つの性に分かれて生まれてくる秘密を解き明かそうと、男女誕生物語を医学の立場から解き明かした本が1981年出版の「アダムとイヴの科学」(カッパサイエンス)。著者は私の亡き父、泌尿器科医の熊本悦明。人間の基本型は女。男は女を改造して創られた。ことの真相は、聖書のアダムとイヴの物語とは真逆であるとつづられていました。

 そして約40年の時を経て、「新・アダムとイヴの科学」(KKロングセラーズ)が出版されました。昨年、92歳で突然に旅立ってしまった父からのバトンを受け継ぎ、私がまとめた一冊。お手にとっていただけるとうれしいです。