2019年ラグビーW杯日本大会で史上初の8強入りを果たした日本代表は、W杯フランス大会(9月8日開幕)でベスト4以上の成績を目指す。ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)率いるジャパンは、再び日本に歓喜と熱狂をもたらすのか。日本大会など3度のW杯を経験したSH田中史朗(38=東葛)は、1次リーグ突破への〝追い風〟を指摘し、4強入りへの可能性に言及。自らの大目標も明かした。
――2019年の熱狂から4年が経過した
田中 日本開催はすごくプラスだったし、結果を残せたのは日本ラグビー界にとってもすごく良かった。今まで自分たちがやってきたことが報われた瞬間だった。
――9月にW杯を控える日本代表の印象
田中 今の代表のトレーニング映像などを見ていても、本当にすごくレベルの高い選手が集まって、レベルの高い、質の高いトレーニングをしている。すごく期待が持てる。
――1次リーグは強豪のイングランドとアルゼンチンが同組
田中 まずは初戦のチリに余裕で勝つこと。(W杯出場が)初めての選手は緊張すると思うので、経験のある選手がしっかり引っ張ってもらいたい。次のイングランドは強い相手だが(元日本代表HCの)エディー・ジョーンズ(現オーストラリア代表HC)がいなくなったのが、すごく大きい。彼は日本の弱点を特によく知っていると思う。その彼がいなくなったのはチャンス。
――アルゼンチンも格上
田中 アタックもディフェンスもすごくいいチーム。サッカーの国って言われているので、キックを使ったパフォーマンスが多い。そこに、どう対応するかだけど、しっかり相手を分析できれば、日本の力を出し切れば可能性はある。
――伏見工業高(現京都工学院高)の後輩のSO松田力也(埼玉)はチームの中心に成長
田中 素晴らしい成長を遂げている。リーダーシップをより発揮しているし、課題と言われたキックの精度がすごく上がった。伏見工業、帝京大で鍛えてきたというのもあるし、仲間のために体を張るプレーは、今の10番(SOの背番号)の中ではトップクラスだと思う。
――若手も成長中
田中(ロックの)ワーナー・ディアンズ(BL東京)の成長の早さに期待したい。世界トップレベルになれる存在だと思う。CTB長田智希(埼玉)らが、世界でどれだけ通用するかは見てみたい。本番までに、若い選手が成長して代表に絡んでいけるかが、ベスト4にいくためのキーポイントにもなる。
――自身はW杯日本大会を最後に代表から遠ざかる
田中 日本代表のレベルも、とても上がってきていて、19年大会の代表に選ばれるのも必死に食らいついてなんとか入ることができた。自分の感覚として本当にギリギリだったので、準々決勝の南ア戦後にグラウンドをみんなと歩いている時には、これが自分の最後の代表キャリアかなって思っていた。
――代表を目指す意思は変わらない
田中 僕が代表として頑張りたいというのを公言し、努力することによって諦めない気持ちを、ラグビー界だけじゃなくて、いろいろな方が少しでも感じ取ってもらえればと思っている。現役はできる限り続けていきたい。
――いつかは現役に別れを告げる
田中 将来的には指導者を考えているし、いずれジャパンを指揮してみたい思いもある。ジェイミー(ジョセフHC)や(トニー)ブラウン(コーチ)は「代表の練習を見に来たら」と言ってくれるけど、1回行くとそっちの方に寄ってしまいそうな気がするので、まずはプレーヤーとしてやり切りたい。
【メンバー発表は15日】日本代表がW杯へ向けて調整を続けている。7月29日のトンガ戦に21―16で勝利し、今年の実戦4試合目にして初勝利を飾った。ここまでニュージーランド代表(オールブラックス)入りを目指す選手で構成されるオールブラックス・フィフティーンとの2試合に敗れ、7月22日のサモア戦は22―24で惜敗していた。 今後はW杯前、国内最後のテストマッチとなるフィジー戦(5日、秩父宮)を経て、15日のW杯メンバー発表を迎える。26日には、イタリアで同国代表と本番前のラストマッチを行う。
☆たなか・ふみあき 1985年1月3日生まれ。京都府出身。伏見工業高(現京都工学院高)から京都産業大を経て、2007年に三洋電機(現埼玉)に加入し、19年にキヤノン(現横浜)へ移籍。21年9月から東葛に所属。15年に日本人で初めてスーパーラグビー(SR)のハイランダーズ入りし、15年にはSR優勝に貢献。W杯は11、15、19年大会の3度出場。日本代表75キャップ。166センチ、75キロ。















