森保ジャパンの未来予想図とは――。日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長(65)がインタビューに応じ、2期目を迎えた森保一監督(54)率いる日本代表について、大きな期待を語った。2026年北中米W杯に向けて日本イレブンの海外進出が加速していることに目を細め、昨季ブレークした新エース候補のMF久保建英(22=レアル・ソシエダード)に、チームの中心選手として日本人初の「欧州チャンピオンズリーグ(CL)制覇」を要求した。

 ――再始動した森保ジャパンへの期待

 田嶋会長 ペルー戦(6月)のようにしっかり戦っているし、9月は欧州のアウェーでドイツ、日本のホーム扱いだけどトルコとやる。こういう試合を積み重ねていくのは、次のW杯を見据えてやっているなと思う。その半面、森保監督はアジアカップやW杯予選の大変さをよく分かっている。世界の頂点を目指すところと、アジアの中のせめぎ合いの大変さがある。まずは予選を突破して次を目指してやってほしい。もう3年しかない。

 ――さらに海外組が増えている

 田嶋会長 これは時代の中で選手たちが努力してきた結果だと思う。我々が目指してきた「世界で戦える選手」が浸透してきた。技術委員会が「17歳でJリーグに出られるように」と施策してきた中、久保や南野(拓実=28、モナコ)、冨安(健洋=24、アーセナル)が若くしてJリーグの試合に出て海外に移籍した。その前も長友(佑都=36、FC東京)や本田(圭佑=37)もビッグクラブに移籍し、長谷部(誠=39、Eフランクフルト)や鎌田(大地=26、同)も欧州(EL)でチャンピオンになった。

インタビューに応じた田嶋会長
インタビューに応じた田嶋会長

 ――この10年で選手の成長は飛躍的だ

 田嶋会長 ドイツリーグでは、同じピッチに日本選手が6人も出ていたことがあって。現地の方にも「日本人ばっかりじゃないか」と言われたしね。しかも、みんなが主力選手としてプレーしているんだから。そういう時代になったってこと。奥寺(康彦)さんがドイツに行き、尾崎(加寿夫)、風間(八宏)が続いて…。日本サッカー界の夢ではあったけど、最近では当たり前のことだし、今は「欧州CLでプレーできる選手を数多く出そう」と言っている。

 ――国際サッカー連盟(FIFA)の理事。海外で仕事することも多い。日本人の評判は

 田嶋会長 やっぱり三笘(薫=26、ブライトン)、久保、鎌田…。特に三笘はイングランド・プレミアリーグでやっていて評価も高いし、聞かれる機会も多い。あと伊東純也(30=スタッド・ランス)はフィジカルの強いフランスリーグでも抜けた存在。チームでの地位を確立しているし、もっと上のクラブを目指せたんじゃないかな。年齢がネック? 実力があれば大丈夫。まだまだ狙ってほしい。

 ――新エースは

 田嶋会長 出てきてほしい。U―17、U―20代表にも可能性がある候補はいるし、これから五輪、A代表に入ってくる。それにエースというのはポッと出てくるものじゃないから。ある程度キャリアを積み重ねないと出てこない。久保? まだまだこれから。もっと伸びてほしい。(スペイン1部)レアル・マドリードや(同)バルセロナに戻るとか、久保の目標もあるだろうけど、欧州CLで優勝するチームの主力として活躍するようになってほしいね。

 ――新生森保ジャパンでは吉田(麻也=34)と長友は未招集だ

 田嶋会長 そこは監督の判断になる。年齢だけでA代表に呼ばないってことはなく、勝つために、必要な選手を招集することが大事だから。監督が麻也や長友の力が必要なら、入れればいい。それだけだよ。

サッカーを描いた屏風の前で記念撮影
サッカーを描いた屏風の前で記念撮影

 ――今回はA代表と五輪が監督兼任ではない

 田嶋会長 2頭体制で進んでいく。五輪とA代表は近い存在で、本当は監督が一緒のほうがふさわしいけど、それをやるのには時間とパワーも必要。カレンダーも重なることが多い。東京五輪は予選がなかった。名波(浩)や前田(遼一)のコーチ陣? 監督が決めた。そこに他の人の意向が入ってはいけない。スタッフは監督が決める。

 ――当面は来年1月のアジアカップ(カタール)が目標になる

 田嶋会長 なでしこジャパンと同じだよ。森保監督が優勝を目指すと言っているので、そこに向けて。まあ、アジアの大会なら「優勝する」って言わなきゃ。協会はしっかりサポートしていくだけだよ。