ボクシングの前世界バンタム級4団体統一王者の井上尚弥(30=大橋)が、WBC&WBO世界スーパーバンタム級王者スティーブン・フルトン(米国)に挑む世界戦(25日、東京・有明アリーナ)を前にまさかの揺さぶりを仕掛けられた。

 22日に行われた会見で、井上は「高くモチベーションを持って今日まで進んでくることができました」と意気込み、必勝を誓う。対するフルトンも「最高の気分です。楽しみにしていてください。2週間前に日本に来て素晴らしいトレーニングができた」と応じ、激闘を予感させた。

 そこに横やりを入れたのが、フルトン陣営のワヒィード・ラヒム・トレーナーだ。「今回の試合はクリーンに行いたい。この試合そのものが選手たちの質を下げることがないように祈ります」と事前に用意した文章を読み始める。

 そして英語のニュースサイトで井上のハンドラップ(バンテージとテーピング)について論争が起こっていると力説。「テーピングやバンテージの巻き方は安全にするべきだ。パンパンになったグローブの選手とやるのは安全ではない」と井上の拳に不正があるかのように指摘した。

井上戦への意気込みを語るスティーブン・フルトン(右)
井上戦への意気込みを語るスティーブン・フルトン(右)

 当然、井上は「ナイーブだなと思いました。24戦やって全試合、正々堂々と試合しているので。なんの記事を見たのか分からないですけど」と否定した。

 この揺さぶりに所属ジムの大橋秀行会長は「ひと悶着、あるね…。今までこれで世界戦をやっている。19戦。何を言っているか分からなかった」と苦笑い。その上で「先方がナイーブになっている? うん。それほど警戒してきているってことでしょう」と動じることなく前向きにとらえた。

 また、撮影時に並ぶとフルトンの身長が頭半個分ほど高かったことも「思ったより差がない」と印象を語る。そして「(フルトンは)ダブついた服を着ていたから。体格的には井上の方がガッチリしていると思う」と自信を口にした。

 相手がまさかの角度から仕掛けてきた〝口撃〟も井上陣営には影響なしか。モンスターは期待通りの動きを見せてくれそうだ。