21日に21歳となったフィギュアスケート女子・2018年グランプリ(GP)ファイナル覇者の紀平梨花(トヨタ自動車)が本紙の単独取材に応じ、自身の「現在地」を明かした。右足首のケガと戦った昨シーズンは、思うように練習を積めない悔しさ、ライバルたちの活躍といったさまざまな葛藤と対峙。決して順風満帆ではない中でも、心技体で大きな進化を遂げた。5年連続となるバースデーインタビューで語った完全復活への並々ならぬ思いとは――。
――20代最初のシーズンはどうだったか
紀平 意外とあっという間に過ぎた1年でした。(右足首の)ケガに不安を抱えたまま、シーズンが始まって、痛みが消えることはないままのシーズンだったけど、今までにない新しい感じのシーズンだったなという感覚がありました。できることはやったシーズンだったとはいえ、完全復活のシーズンではなかったと思っているので、一日でも早く完全復活できる体の状態に持っていきたいです。
――なかなか練習を積めないつらさはあったか
紀平 体が健康な状態で限界まで追い込む練習もしんどいけど、追い込んだ練習をすると(右足首が)痛くなってしまうというもどかしさは毎日抱えていましたし、これが実力って思われたくないなという思いもありました。痛みがなかったら、3回転ルッツなどの練習も積めただろうなという思いもあったけど、本番に集中して持っていくというやり方は、今までの経験を生かせたので、悪いシーズンではなかったなと思います。
――ケガが治れば復活できる手応えを得た
紀平 そうですね。ケガをしても上手に調整できたらちゃんと戻るというか、意外と感覚を忘れていないんだと思いました。体力面も初めはキツかったけど、練習をすればするほど、息も上がりづらくなってきたり、筋力も戻ってきた感覚がありました。毎日積み重ねていく中で結構すぐ戻ると感じたので、その感覚をつかめたのは収穫でもあり、今後に生かせると思います。
――世界選手権を連覇した坂本花織(シスメックス)や若手選手の活躍はチェックしていたか
紀平 もちろんニュースとかで見ていたけど、あえてじっくり演技内容や点数を見ることはしていないです。人と比べるよりも自分のベストを尽くしたいところが一番にあるので、変に急いでしまったりとか、焦ってしまわないように、他選手のスケートのこと考えるよりも自分の計画だったり、何をするべきかを考えるようにしていました。
――右足首の回復具合は
紀平 昨シーズンが始まる頃よりはいい感じだけど、今振り返ると結構ひどい状態だったので、痛みを早くゼロにしたいという思いが強いです。今はゼロかって言われると、ゼロではないかもしれないです。ただ、日常生活に支障が出るケガにはしたくはないので、そこは気をつけないといけないと思います。今はジャンプの練習をたくさんしているわけではないけど、体力や筋力、感覚を戻すところからスタートしているので、感覚を確かめつつ、右足首と相談しながらという感じです。
――今シーズンの目標は
紀平 今は7月なので、焦りすぎずに一番はとりあえず12月の全日本選手権にピークを持っていけたらなと思っていて、やっぱり表彰台に上がりたいと思っています。万全な状態に持っていくことが第一だけど、そこまで(右足首が)戻ったら表彰台は絶対に狙える状態になっていると思います。
――21歳をどんな1年にしたいか
紀平 もう21歳かっていう思いもあるけど、年を重ねても自分は変わらない。やっぱり頑張ってきたことが報われたって自分の人生を振り返った時に思えるように過ごしたいし、支えてくれている皆さんに笑顔になってもらいたいです。もちろん自分の中でも悔いがないと思える選択をしていける1年にしたいです。
【サマーキャンプ参加】7月上旬にカナダ・トロントへ渡った紀平は、クリケットクラブでサマーキャンプに参加中。氷上練習だけでなく、ピラティスやダンスなど、オフアイスの練習にも励んでいる。今季はショートプログラム(SP)を一新する予定で「曲はまだ決めていないけど、そろそろミーティングとかをしていくと思います。今週、来週あたりに曲が決まると思います」と説明した。フリーは昨季と同様で映画「タイタニック」の世界観を演じるという。
☆きひら・りか 2002年7月21日生まれ。兵庫・西宮市出身。5歳でスケートを始め、16年9月のジュニアGPシリーズで女子史上7人目の3回転半ジャンプ(トリプルアクセル)を成功させて優勝。シニアデビューの18~19年シーズンにGPファイナル初出場初Vを含む国際大会6連勝と大躍進。19年に全日本選手権を初制覇し、20年の同大会で日本人女子2人目の4回転ジャンプ(サルコー)を成功させて2連覇を達成した。姉はダンサーとして活躍中の萌絵さん。155センチ。















