ボクシングの前世界バンタム級4団体統一王者の井上尚弥(30=大橋)が15日、WBC&WBO世界スーパーバンタム級王者スティーブン・フルトン(米国)に挑む世界戦(25日、東京・有明アリーナ)に向けて異例の「30秒公開練習」を行った。

 公開練習を前に井上は、新たな階級での戦いに向けて「パワーはもちろんスピードも落とさずできた。不安材料は全くない。十分手ごたえがあります」と順調な仕上がりを強調。新たな挑戦に向けて「スーパーバンタムに上げて2団体挑戦というところも、自分の中で過去イチ気合が入っていますし、それだけ順調に進めてこれた」と拳を握った。

 対戦相手のフルトンを「賢く戦う選手」であるとしつつ「それよりも、自分がどう賢くなれるか。頭脳戦になると思います。当日は一瞬のミスをした方が持っていかれる。すごく厳しい試合になると思います」と警戒。それでも「一発当たれば試合が終わるという自信を持って練習している」とKO勝ちへの期待も感じさせた。

 こうして約15分の質疑応答を終えた井上は、縄跳びで体を温めてからリングインしてシャドーを開始した。すると30秒が経過したところで大橋秀行会長から「終わりです」とストップがかかり、まさかの終了。報道陣どころか井上も戸惑いを見せる中、大橋会長は「すみませんね。フルトンと同じ気持ちなので気持ちが分かるので」と説明した。

 前日14日にフルトンが約2分半で公開練習を切り上げたことへの〝反撃〟なのだろう。リングに上がる前に頭脳戦を仕掛けた大橋会長は「せっかく来ていただいたんですけどすみません。試合は始まっているので」と話した。早くもけん制し合う両陣営。試合は互いに譲らぬ死闘となること間違いなしだ。