絶対的エースの不在で日本バスケ界はコート内外で大打撃だ。日本バスケットボール協会は27日、米プロバスケットボールNBAレイカーズの八村塁(25)が男子W杯(8月25日開幕、日本、フィリピン、インドネシア共催)を欠場すると発表した。大舞台で戦力ダウンが確実な日本代表はもちろん、コート外で期待された〝八村フィーバー〟は水の泡となった。

 八村は協会を通じて「今年のW杯を欠場する決断をさせていただきました。W杯を楽しみにしてくれていたファンの皆さまにはこのようなご報告になってしまい申し訳ありません」と欠場を謝罪。「とても難しい判断でしたが、昨季と長いプレーオフ戦を終え、今後の自分のNBAキャリアを優先し考慮させていただき、このように判断いたしました。来季に向けてこの夏はトレーニングに集中し、体のコンディションを整えさせていただきます」と理由を説明した。

 八村は今夏に、自身初のフリーエージェント(FA=制限付き)となり、これから去就問題が本格化。今季途中で移籍したレイカーズに残留しても、新天地に移籍しても、そのチームでプレシーズンを過ごすのは初めてとなる。開幕に向けて重要な準備期間となるだけに、所属先での調整に専念する決断を下した。

 名門レイカーズで今季大ブレークを果たしたエースの欠場は、日本代表にとってまさに痛恨だ。世界ランキング36位の日本はW杯1次リーグE組で、同11位のドイツ、同24位のフィンランド、同3位のオーストラリアといずれも格上との戦いが待っている。エースを欠く戦いは苦戦必至で、アジア最上位に与えられる来年のパリ五輪出場権にも黄信号が点灯した。

 さらにコート外でも大打撃となりそうだ。民放キー局関係者は「八村選手はバスケファン以外でも知名度があるし、唯一のスターとも言える。出ると出ないでは視聴率も5%は違うだろうし、中継局はショックだろう」と指摘。今大会の日本戦は直前の強化試合も含めて日本テレビとテレビ朝日が生中継するが、目玉がいなくなったことで高視聴率は期待薄となってしまった。

 また、大手広告代理店関係者は「今回のW杯は集客やグッズ販売、バスケ界全体への関心の高まりなど波及効果も期待されるが、八村選手が不在となると厳しいのでは。野球で例えれば、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に大谷翔平選手(エンゼルス)がいないようなものですから」との見通しを示す。WBCでは大谷がチームをけん引して劇的Vを果たし、列島が熱狂に包まれた。同様に現在の日本バスケ界で最大のスターである八村もフィーバーが期待されたが、多大な経済効果は霧散したと言えそうだ。

 アカツキジャパンは、この逆境をはね返すことができるのか。