米国のマイアミ動物園で、有料で珍鳥キーウィの触れ合いイベントを開催したところ、ニュージーランド国民の怒りを買い、署名活動が行われ、イベントが中止になった。米メディア「ニューヨーク・ポスト」が25日、報じた。

 マイアミ動物園がキーウィの触れ合いイベントを開催した。約3500円だった。触れ合った客がその動画をSNSにアップしたところ、ニュージーランド国民が激怒した。キーウィはニュージーランド固有種で、同国の国鳥であり、国のシンボルでもある。マオリ族にとっては「タオンガ(宝物)」。そんなキーウィが夜行性にも関わらず、白昼に触れ合いイベントでこねくり回されたり、客との自撮りで振り回されたりする動画がSNSで拡散したのだ。

 ニュージーランドでは〝虐待された〟キーウィを救うべく署名活動が行われ、1万人以上の署名が集まった。

 マイアミ動物園は23日、公式サイトで「キーウィの取り扱いについて心からおわび申し上げます」と謝罪し、キーウィが健康なこと、そしてイベントを中止したことを伝えた。

ニュージーランドのクリス・ヒプキンス首相(ロイター)
ニュージーランドのクリス・ヒプキンス首相(ロイター)

 これにニュージーランドのクリス・ヒプキンス首相は「多くのニュージーランド人が国鳥を誇りに思っていることを示しています。何が起こったかについて遺憾の意を公式に表明しており、私はそれを認め、真剣に受け止めてくれたことに感謝しています」とコメントを出した。

 マイアミ動物園の広報責任者ロン・マギル氏は「私たちはニュージーランド国家を傷つけてしまいました。本当に申し訳ない。ハクトウワシ(米国の国鳥)に同じことをされたらどう思うかとお叱りを受けましたが、本当のそのとおりです」と謝罪した。