千葉・浦安市日の出で今月に入って、同じ団地内で3件の不審火が相次ぎ、住民や「マリナーゼ」を恐怖に陥れている。警察は火の気がなかったことで同一人物による連続放火事件の可能性があるとみて捜査に当たっており、専門家からは犯行がエスカレートし、白昼に起きる事態も懸念される。現場からは犯行の共通項も浮かび上がる中、第4の放火を止めることができるのか――。

 現場はJR京葉線の新浦安駅から徒歩15分ほどの23棟からなる巨大団地だ。一帯はマンションがひしめき、住民のマダムはマリナーゼとも称される。大型ショッピングセンターや大学、派出所も隣接しているが、夜になると人けがなくなり、静寂に包まれる。

 最初に事件が起きたのは今月3日の午後11時30分過ぎ。5号棟の駐輪場で火災が起き、自転車やバイクなど計17台が燃えた。13日午前1時10分ごろには隣接する4号棟の駐輪場で、再び火災が発生。自転車やバイクなど計18台が燃え、自転車は骨組みだけになるほどの火の勢いだった。

 さらに14日の午後8時半過ぎには3号棟の駐輪場に止めてあったバイクが燃やされた。いずれもケガ人は出なかったが、1件目と2件目の駐輪場は団地に隣接しており、3件目は団地内1階の駐輪場で、大惨事となってもおかしくない状況だった。

 団地に住む住民は「夜中にサイレンが鳴って、何事かと驚いた。ここで何年も住んでいるが、トラブルは一切なかった」と驚きを隠せない。

 犯行現場は無差別に選ばれたともみえるが、実は共通点があった。23棟の団地は7割が分譲で、残りは賃貸となっている。放火された駐輪場はいずれも賃貸棟で、居住している住民も分譲棟と比べ、若い世代や外国人が多かった。防犯カメラなどは設置されていなかった。

 現場からはいずれも黒こげとなったバイク用のオイル缶が発見されている。元東京消防庁消防官で一般社団法人「日本民間防衛連合会」代表理事の金子富夫氏は「自転車やバイクは簡単には燃えないので、オイルや油を散布して火を付けたとみられる。犯人は居住者などといさかいがあったかもしれないが、3回も放火とは相当恨みが深い」と指摘する。

 懸念されるのは立て続けに犯行を起こしていることに加え、3回目の犯行時間が夜8時台とまだ人通りがある早い時間だったことだ。

「今度は昼間に犯行に及んだり、車に火を付けたりと、どうエスカレートするかわからない。4回目が建物放火などになれば人命にかかわってくる」(金子氏)

 4回目の犯行を許せば、県警も沽券にかかわるとあって、夜の時間帯にはパトカーを常駐させ、団地側も自主的に警備員を巡回させるなどして、警戒に当たっている。