東京都江戸川区の住宅で住人の契約社員山岸正文さん(63)を殺害したとして逮捕された区立中教諭尾本幸祐容疑者(36)が、逮捕前、警視庁の任意の事情聴取に「事件当時は学校内にいた」という趣旨の説明をしていたことが12日、分かった。
捜査関係者や学校側によると、事件が起きた2月24日午後は休暇を取得していたが、退勤時刻は記録上、事件直後の夜になっていた。警視庁小松川署捜査本部は、尾本容疑者の説明は虚偽で、退勤記録はアリバイ工作だったとみて詳しい経緯を調べている。
山岸さんは24日午後6時半ごろに殺害されたとみられる。尾本容疑者の退勤時刻は午後7時15分になっていた。学校には午後からの半休を届けたのに、タイムカードには夜の打刻があったというから、ずさんなアリバイづくりだ。
また、尾本容疑者は逮捕前の任意の事情聴取では言い訳をしていた。山岸さん宅内に尾本容疑者の靴と一致する足跡があったことについて「(事件前の)1~2月ごろに2回、男性宅に入った」と話し、1回目は「荷物を運ぶのを手伝ってほしいと男性に言われた。『土足でいい』と言われた」という趣旨の説明をしたという。現場から血のついたマスクが見つかったことについて「(2回目は)招かれて入った。鼻血が出て、汚れたマスクを男性に渡した」と話したという。
尾本容疑者は逮捕時に容疑を否認し、その後黙秘に転じている。
尾本容疑者は投資やギャンブルで数百万円の借金があったとされる。
まだ容疑の段階という前提だが、元警察関係者は「容疑者はギャンブルに負けてもやりくりが苦しくなるまで続けており、先を見通さない性質でした。カネを工面するため強盗に入り、バレたら殺害し、殺害後はいつもと変わらず教壇に立ち、自分が疑われる危険性にすら気づかない性質です。そして、警察には言い訳し、矛盾を突かれたら黙秘というのも、行き当たりばったり感があります」と指摘。
十数年教諭を続け、住宅ローンを組んで都内の一戸建てを手に入れた堅実な面と、ずさんな犯行とアリバイ工作という無軌道な面があった。











