王座奪還に成功だ――。無差別級で争われる柔道の全日本選手権(29日、日本武道館)、決勝が行われ、王子谷剛志(30)が羽賀龍之介(32=ともに旭化成)を延長戦の末に指導3の反則勝ちで下して優勝。6年ぶり4度目の頂点に立った。
日本一決定戦で確かな存在感を示した。「もう終わった選手だと思った」。東京五輪は代表争いに絡むことができず、引退の2文字が頭をよぎったこともある。しかし、2020年2月に入籍した妻の存在が支えとなった。「妻にカッコいい姿を見せられないまま終わっていいのかという葛藤があった」。もう一度輝くために――。21年春に拠点を神奈川から所属先の宮崎・延岡に移し、再スタートを切った。
妻にとっては縁もゆかりもない街だったが、嫌な顔をせずに王子谷のサポートに回った。思い悩んでいると感じた際には「頑固にならずに視野を広げて(周囲の話を)聞いてみたら?」とアドバイス。「いろんな方の助言をかみ砕けるようになったのが大きかった」と振り返るように、妻の支えが今回の復活劇を生み出した。
延岡では社業と並行しながら練習に励んだ。「昔は練習量を豊富にとれていたが、今は質の部分が身についた」。当然思うようにいかないこともある。それでも「どうやった投げられるかを考えながら取り組んでいる」と己に必要なモノを自問自答し続けた。
「妻、家族、そして今年の夏に生まれてくる我が子のために全力を尽くした」と〝家族愛〟で勝ち取ったタイトル。一家の大黒柱が最高のプレゼントを届けた。












