〝女芸人マニア〟として知られているお笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」の新道竜巳が、これから〝馬鹿売れ〟しそうな女芸人を紹介するこの連載。今回は、漫画、お笑い、ものまねという、二刀流どころか〝3足のワラジ〟を履いている、女性ピン芸人を紹介する――。
【プロフィル】
芸名:れっぴーず
養成所:ワタナベコメディスクール22期生(2015年入学)
所属事務所:東村プロダクション
普段はライブにそれほど出ていません。私はある日、ネタライブに出ていたところを見たことがありますが、その時はガチガチに緊張してしまっていて、お客さんが笑ってませんでした。
それでもれっぴーずさんは、楽屋でこうつぶやいた。「平場で取り返します!」。すると有言実行で、本当にグイグイ前に出てきて、しかもそれがものすごくおもしろかった。
れっぴーずさんに足りないのは、場数だけだと思います。ただあまり舞台を踏んでいないと、平場でもどこで出ていけばいいのか分からないのが普通の芸人です。しかし彼女はグイグイ前に出る。常にどこで自分が入れるか、模索しているのだと思います。
それでもやはり舞台経験が少ないので、トークでもひっくり返るぐらいスベることもある。ただウケなくてもすぐ次に進むその姿は、帰りの切符を持たずに突進しているようでカッコイイ。たまにボケて、お客さんのリアクションが起こる前に次のボケを言ってしまうこともある。焦りもあると思いますが、そのぐらい頭の回転が速いとも言えます。
れっぴーずさんはライブシーンですら、ほとんど知られていない存在ですが、僕から見ると非常に魅力的で才能があるように思えます。実際に話をしても、すごくおもしろい。特に追い詰められるとおもしろい。その度胸と軽快さはうらやましくなるほどです。
所属している東村プロダクションとは、「海月姫」「かくかくしかじか」「東京タラレバ娘」などの名作を生み出した漫画家・東村アキコ先生が私財を投げうって、16年から運営している事務所です。
お笑い芸人も所属していて、東京・新宿に歌舞伎町Sparkleという劇場を所有し、そこで事務所ライブを開催しています。所属している芸人は、まだあまり知られていませんが、東村先生自らMCをやっておられ、会場は満席になります。もちろんれっぴーずさんは、東村先生を崇拝しています。
それにしても、なぜそんなにグイグイ前に出られるのか? 本人に直接聞いてみたところ、「剣道部だったから度胸あるんですよ。3段でした」。それだけで前に出られるのか不思議ですが、学生の時の部活動がお笑いに生かされることがあるのなら、僕も部活をやっておけばよかったと思います(中1の時に陸上部でしたが、廃部になって続けられなかったので…)。
れっぴーずさんには、ほかにもいろいろと聞いてみました。
――芸人を始めたきっかけは?
「漫画家を挫折したときに、自分がギャグ漫画になって自分の生きざまを笑ってもらえばいいという気の迷いから。ちょうどたまたま見た、ワタナベの養成所の『おもしろい女募集』という誘い文句にやられて、お笑いの世界に足を踏み込みました」
――現在の活動状況は
「お笑いライブはマイペースに出ており、それ以外だと東村プロ事務所ライブとドラゴンボール芸人ライブの時に千葉から東京に出て活動してます。イベントに出て早書きで似顔絵を描いたり同人誌を売ったり、SNSではツイッターとユーチューブで、漫画やアニメものまねを上げています」
ちなみにものまねのレパートリーは、「ドラゴンボール」のチチ、「ちびまる子ちゃん」のたまちゃん、アンパンマン、クリィミーマミ、「幽☆遊☆白書」の蔵馬、カードキャプターさくらなどがあるそうです。
最後に将来の目標を聞くと、「漫画の芸でイベントや営業などに呼ばれて、好きなことや良いものをいろいろな形で発信して人に影響を与えられる。そんな芸人になりたいです」と語ってくれました。
☆しんどう・たつみ 1977年4月15日生まれ、千葉県出身、本名・濱島英治郎。平井“ファラオ”光と組む「馬鹿よ貴方は」として「THE MANZAI」「M―1グランプリ」で決勝進出を果たした実力派。緻密なネタ作りに定評がある一方、女芸人ナンバーワン決定戦「THE W」では、予選会場に足しげく通い、ほとんどの出場者のネタを見るほどの“女芸人マニア”。












