英国で1916年に投函された手紙が100年以上を経て、ようやくロンドン南部の宛先に届くという珍事が起きていたことが分かった。英BBCなどが伝えた。

 手紙が郵送された住所に住むフィンレイ・グレン(27)さんは、「消印が16年だったことから、最初は疑いもせず2016年だと思い込んでいた」と語った。ところが、「封筒に貼られた切手が(故エリザベス)女王ではなく、国王の切手だったことから2016年ではあり得ないと気づいた」と続けた。

 手紙が届いたのは2021年だが、グレンさんは最近になって地元の歴史協会に持ち込んだ。もし、この手紙が歴史的な意味を持つものであれば、同協会に寄贈するつもりだが、そうでなければグレンさん自身で保管するという。

 当初、グレンさんは、本人宛ではない郵便物を開けることは違法なため、開封することを躊躇していたが、手紙があまりにも古いものであることが分かったため、封を切ったと明かした。封筒に張られた切手はジョージ5世の肖像を描いた1ペンスのもので、手紙はエリザベス女王が生まれる10年以上前の第一次世界大戦のさなかに投函されていた。

 グレンさんは当初、地元誌「ノーウッド・レビュー」に手紙を持ち込んだところ、同誌編集者で歴史家のスティーブン・オックスフォード氏は手紙の内容を調査。「オズワルド・マーシュ」という地元では当時、著名な切手販売業者だった男性と結婚した「ケイティ」に宛てて書かれたものであることが分かった。

 また、差出人はケイティの友人で、「ヘンリー・トゥーク・メネル」という紅茶商人の娘「クリスタベル・メネル」という女性で、イングランド西部バースで休暇中に投函したものだった。

 オックスフォード氏は、封筒の消印がロンドンン南東部シデナムにある郵便局のものであることから、手紙は同郵便局の仕分け室の片隅で紛失し、2年前に発見された可能性があると指摘。〝遅配にもほどがある〟100年以上経ての配達に、同氏は「驚いた」と率直な感想を漏らした。

 英国の郵便事業会社ロイヤルメールの広報担当者は、「なぜ手紙の配達時間がこれほど遅れたのかは分からない」とした上で、「このようなケースは極めてまれに発生するが、今回は何が起こったのかは全く不明」とコメントした。