プーチン大統領には重病説がささやかれており、ウクライナ侵攻もうまくいっていない。無理やりな徴兵で国民人気も低下している。欧米メディアでは、「プーチンはリビアのカダフィ大佐の最期をさかんに調べている」として、クーデターによって殺される可能性を恐れ、自ら身を引く可能性が高いと分析している。病気を理由にすぐに権力の座を降りるのか、それとも2024年3月の大統領選に出馬せずに勇退するのか。

 英メディアGBニュースは22日、英秘密情報部MI6の元長官リチャード・ディアラブ氏からのインタビューに、「ウクライナとの戦争に負ければ、ロシアはプーチンを排除しようとするだろう。ロシアは独裁者よりも独裁体制というシステムが絶対的なのです。プーチンの健康状態を理由に、療養所に引きずり込まれて行方不明になり、別の誰かの手に独裁体制が渡る可能性がある」と指摘した。

 すでに後継者が2人に絞られたことを報じたのは、22日の英紙デイリー・スターだ。

 最有力候補の1人は民間軍事会社「ワグネル」の創始者であるエフゲニー・プリゴジン氏。ワグネル傭兵部隊は刑務所から終身刑の殺人者やマフィアらをスカウトして、最前線で戦っている。戦闘から逃げ出そうとする殺人鬼を後ろから射殺する〝清算人部隊〟を用意して、見せしめ的に公開処刑するなど、殺人鬼以上の残酷さを持っている。

 カナダのアルバータ大学でロシア史を専門とするデビッド・マープルズ教授は同紙に「もしワグネルがより多くの兵力を与えられ、バフムートの奪取に成功すれば、彼が最有力候補であることは明らかです」と話した。

 一方、カリフォルニア工科大学の政治学者D・R・キーウィエット教授は「明らかな後継者はドミトリー・メドベージェフ元大統領だ。彼は他の誰よりも腐敗しており、それこそが彼に有利な点だ。彼は戦争が始まって以降、非常に強硬な声明を出し、キャンペーンを行ってきた。残りの後継者候補の全員をまとめられる唯一の男だ」と語った。

 いずれにせよ、マープルズ氏は「プーチンの後継者候補は、西側にとってさらに危険な独裁者になる可能性があります。ロシアが〝大国〟というフィクションを維持していられるのは、核兵器を持っているという点だけです。あらゆる交渉の背景に核兵器をちらつかせるでしょう。どの候補も残虐で腐敗している」とした。プーチン氏はウクライナ侵攻前までは長年、それなりに高い人気を維持し、体制を維持してきた。ポスト・プーチンは危険な人物になりそうだ。