【取材の裏側 現場ノート】レスリング女子で五輪2連覇の金城(旧姓・川井)梨紗子(28=サントリービバレッジソリューション)が、母となってマットに帰ってきた。昨年12月の全日本選手権(東京・駒沢体育館)に出場し、非五輪階級の59キロ級で優勝。2024年パリ五輪の1次選考会を兼ねた大会で上々のスタートを切った。
21年東京五輪後に元レスリング選手の金城希龍さんと結婚。昨年5月に第1子の長女を出産した。競技と向き合う環境は大きく変わったが、わずか5か月後の全日本女子オープン選手権で約1年2か月ぶりに実戦復帰。五輪女王の勝負強さは健在だった。
ただ、金城は「私はうまく行き過ぎているパターン」と自らの現状を冷静に分析。「こうやって出産、復帰というのを取り上げてもらって、またスポーツや職場復帰を早く目指したい方が出てくると思うんですけど…」と前置きした上で、〝ママレスラー〟としての思いを次のように明かした。
「世の中にはもっと出産後が大変な方もいると思うので、みんながみんなうまくいくわけじゃないというのは分かってほしい。出産ってものすごい大変で(経験)した人にしか分からないことなので『金城梨紗子が産後5か月で復帰して全日本優勝した』といっても、うまくいっているだけだから、簡単に見ないでほしいなと思いながらやってますね」
女性の社会復帰は「産休・育休制度」などを活用することで可能な一方、さまざまな事情で断念するケースも少なくない。金城は「スポーツだから、もしかしたら(復帰)しやすいのかもしれないし、私はスポーツでしか表現できない」と述べた。
自分は決して〝ママ代表〟ではない――。金城の言葉からそうした思いを感じながらも、パリ五輪の「ママでも金」に期待が膨らんだ。
(五輪担当・小松 勝)












