【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑498】未確認生物を「UMA」と名付けた作家の實吉達郎氏と山口敏太郎氏が年末、ヒバゴンが消息を絶ってから40年という節目を記念して、対談を行った。UMA研究界の巨人同士がUMAを語った。先日、紙面に掲載されたが、まだまだ紙面には収まりきらなかった部分をこの「UMA図鑑」に掲載します。
山口 僕は四国の徳島出身なので、「剣山の大蛇」が気になってしょうがないんですよ。全長10メートルなんてデカいヘビが日本にいるわけないと思ってるんですよ。ところが、結構、お年寄りの方に聞くと、「昔はいたんだ」と言うんですよ。
實吉 そう言うんですよね。でも、昔だろうが、今だろうが、わが国に最長2メートルのアオダイショウより大きいヘビはいません。それに熱帯のアナコンダなどの大型のヘビが日本の自然下で冬をすごせるのか。
山口 一部の説によると、GHQがソロモン王の秘宝を剣山に隠して、地元の人を近づけさせないためにヘビの噂を流したって話もあります。
實吉 ロマンチックすぎるなー。ソロモン王の秘宝があるなら、隠すより、米国に持って帰っちゃうでしょ。それに当時、米国人は日本人をバカにしてましたよ。もし秘宝を隠したんなら、近づいた人を撃ち殺すんじゃないかな。
山口 ヘビじゃなく、オオウナギだったのかもしれませんね。
實吉 それならありうる。オオウナギは水場から水場に移動する際、雨の日に地面をはって移動することがあり、途中でカエルだの小動物を食べて、しばらく生きてますから。剣山の大蛇の正体かもしれない。
山口 それと、實吉先生に聞きたかったのは、イリオモテヤマネコって特別天然記念物じゃないですか。実は石垣島にもヤマネコがいたって話があるんです。地元の人が「昔は山の中にいっぱいいて、捕まえて、ペットにしてたよ」って言うんです。
實吉 ウンピョウの仲間の猫が沖縄諸島のあちこちにいたのかもしれないですね。ある種のUMAのたぐいってのは、意外に地元民にはなじみのもので、驚かない人にとっては驚かないんですよ。ヤマネコったって、普通の家猫の何倍も大きいわけじゃないですし。昔は西表島以外にヤマネコがいても違和感はない。そしたら、地元の人は、わざわざ撮影したりしないから、証拠が残らない。
山口 そういうウンピョウの亜種が沖縄諸島に生息していて、それが西表島のUMA「ヤマピカリャー」なのかもしれませんね。同一地域に似た別種の動物は共存しないという説があります。エサを取り合うから、どちらかが滅びててしまうからです。でも、ヤマピカリャーが樹上生活し、イリオモテヤマネコが地面で生活していれば、共存できるんじゃないかと思います。
實吉 はい、共存できますね。似たような2種の動物が同じ生態環境で生きるためには当然、住み分けます。似た猫同士でも、地上と樹上で住み分ければ、同一エリアに併存できます。
山口 それと、ニホンオオカミが絶滅してしまい、生態系が壊れて、シカが増えすぎたとかいって、アメリカからハイイロオオカミを輸入して、野生化させようって話があるんです。
實吉 ニホンオオカミを復活させる方が先ですし、簡単でしょう。実際、海外には、犬とオオカミの混血のウルフドッグがいるんですから。そもそも甲斐犬など日本犬はニホンオオカミが祖先だとみなされています。金魚を池に放ち野生化させると、フナの遺伝子がよみがえって、フナぐらいに大きくなることがあります。日本犬を山に放ち、野生化させれば、代を繰り返すにつれ先祖返りし、オオカミになるんじゃないかな。
山口 秩父とか青梅とかで、オオカミみたいな遠吠えが聞こえるって噂があるんです。地元に聞き込みすると、シベリアンハスキーとかの西洋犬じゃないのに、山奥に白と黒の2匹の巨大な犬がいて、ふもとまで道案内してくれたって話も出てきました。日本犬の野生種というか、山犬が代々、生きているのかもしれません。それってすでにオオカミですよね。
實吉 それはまさに妖怪「送り狼」ですな。山道の自分のエリアに入ってきた人を後ろから追跡して、エリア外に送り出すオオカミの妖怪。送り出されたらひと言、振り返って「ご苦労でござった」とあいさつをしないとたたられるという。
山口 山道で転んだ時には「あー、一休みしよう」と言わないと食い殺されるともいいますね。江戸時代にオオカミは絶滅したというか、山に入り込んで、山犬になったんじゃないですか。
實吉 そう考えると、なんだか、オオカミと山犬と日本犬の違いはあいまいですな。しかも、それぞれが交雑しちゃってるかもしれない。オオカミとは不思議なもんですなー。ところで、20年近く前、東スポで「實吉達郎のUMA図鑑」という連載をやったことがあります。それを今は山口さんがやってらっしゃる。
山口 まだまだUMA界を盛り上げていきましょう。












