来年1月で現職が任期満了を迎えるNHK会長のポストを巡って、周辺が騒がしくなってきた。元文部科学次官の前川喜平氏(67)が市民団体に推される形で意欲を表明したことに黙っていないのがNHK問題で国政政党を作り上げたNHK党の立花孝志党首(55)だ。前川氏との公開討論会を要求し、一石を投じたい考えだ。
来年1月24日に3年の任期が満了するNHKの前田晃伸会長は、高齢を理由に2期目に意欲を見せていない。NHKの経営委員会は指名部会を立ち上げ、次期会長候補の選定に当たっているが、現時点で有力な名前は漏れ伝わってきていない。
すると元NHK経営委員やジャーナリストらが共同代表を務める市民団体「市民とともに歩み自立したNHK会長を求める会」は第1次安倍政権以降、官邸の意向を強く反映する形で財界出身者5人が会長に就任したことを問題視し、「公共放送をこれ以上、毀損することは許されない」と前川氏を推薦。先日、前川氏は会見し「NHKは本来、自律的な組織でないとならない」と会長就任に意欲を見せた。
前川氏が立ち上がったことに「全くNHKの会長人事を分からない人たちが騒いでいるが、それくらいなり手がいないんじゃないか。面白い」と反応したのは元NHK職員で、NHKのスクランブル化を訴える立花氏だ。
NHKの会長人事は12人からなる経営委員会の9人以上の賛成で選出される仕組みだ。立花氏は「次の会長に期待されるものはネット受信料とかになってきて、若者世代からは総スカンを食らう。どう考えても日本を敵に回す」と指摘する。
現会長の前田氏は元みずほフィナンシャルグループの会長。前会長の上田良一氏は元三菱商事副社長、その前任者の籾井勝人氏は元三井物産副社長だったが、NHK会長に就任したことで世間からバッシングされるハメになった。
加えて会長報酬は約3000万円で、世間一般からしたら高給だが、財界トップ出身者からすればコストパフォーマンスに見合わない。そのため人選は毎回、辞退者が続出しているのが実情だ。
立花氏は「今のNHKの報道は完全におかしくなっている。ちゃんとした公共放送をつくりましょうと言っている。今の状況で会長になるのは誰がどう考えても僕が適任。それくらいNHKに対する理解度、愛情がある」と自薦してみせた。
経営委員会が会長候補として前川氏と立花氏の名前を挙げる可能性は限りなく低いとみられるが、立花氏は「前川さんと公開討論会をやりたい」。NHK問題や会長人事が注目される世論喚起のチャンスになるとして、討論会の開催を訴えた。
前出の市民団体は「視聴者に開かれたNHKをつくるべきだ。経営委員会が推薦制や公募制をとれば、前川氏が立候補の位置づけになる」。会長選出の手順は放送法に定められたものだが、政権側に恣意的に運用されているとして、改正も求めている。前川氏推薦の署名集めを展開中で、今月22日には東京・渋谷のNHK放送センター前で前川氏も参加しての街宣行動まで予定している。
受信料問題、政権への忖度姿勢、ネット時代の公共放送のあり方…と課題山積のNHK。いっそのことヤル気満々の2人に託す手もあり!?












