〝メイウェザー劇場〟の舞台裏で繰り広げられた真実とは――。格闘技イベント「超(スーパー)RIZIN」(25日、さいたまスーパーアリーナ)で、ボクシング元世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(45=米国)が朝倉未来(30)を2ラウンド(R)終了直前に沈め〝圧勝〟。その活躍には多くの関係者による尽力があった。〝ザ・マネー〟に高パフォーマンスを発揮させるべく行われていた、涙ぐましい様子をリポートする。
かつて拳を交えた元世界6階級制覇王者マニー・パッキャオ氏(フィリピン)もリングサイドから見つめる中、メイウェザーはその力をいかんなく発揮した。
2Rにギアを上げて徐々に追い詰め、ラウンド終了のゴングとともに強烈な右ストレートを放ってダウンを奪う。エキシビションのため勝敗はつかないものの、事実上の〝KO勝ち〟を収めたメイウェザーは「今夜はファンの皆さまに興奮できる試合を届けることができてうれしいです」と殊勝に語り、再登場を予告してリングを下りた。
猛威を振るったのはリング上だけではない。何よりその発端となったのは、米国からやってくる取り巻きの多さだ。18日にメイウェザーが来日した時点で約20人だったが、連日のように増えて最終的に42人にまで増殖。来日のたびにアテンド係が迎えに行ったが遅刻もざらで、空港で数時間待ちぼうけになることもあったという。
ご一行は食事も全員行動が基本だ。ハイヤー数台で大移動し、夕飯は高級料理店を訪れ40万~50万円を消費した。しかも帰りは三々五々でハシゴするグループもいるため、ドライバー陣の苦労は絶えなかった。時にクラブの前で午前6時まで待機することも…。余談だが、メイウェザーのお気に入りは高級焼き肉店「叙々苑」で和牛をウェルダンまでしっかり焼いて食べることだった。
そんな中、関係者を大わらわにしたのがコスチュームにつけるスポンサーロゴのパッチだ。来日する関係者が連日持参し「追加で貼ってくれ」と依頼。そのたびに関係者は業者に依頼し求めに応じた。最終的には計量やルールミーティングで慌ただしい試合前日の午後に持ってきたものを貼ることに…。細かな依頼にも応じ続けたことで、メイウェザーの機嫌を取ることができた。
その余波を受けた意外な男が〝格闘技界のドン・ファン〟こと皇治だ。試合の数日前にメイウェザーサイドが「パッチを貼るだけでなく制作もしてほしい」と言い出したからだ。限られた時間ではさすがに無理…となったところで、コスチュームに貼られたスポンサーロゴの多さで他の追随を許さない皇治に白羽の矢が立ったのだ。
関係者に涙ながらに頼まれるや、地元・大阪の業者を紹介。コスチュームを大阪に送り、制作したパッチを貼って送り返してもらう段取りを整えたが結局、メイウェザーサイドが「コスチュームを手放したくない」とキャンセルしたという。
また、世田谷に自らのジム「TEAM ONE GYM」を持つ皇治は「メイウェザーが練習場所を探しているので貸してもらえないか」と頼まれたことも。対戦相手のジジも使うことになるが「困っているなら…」と敵に塩を送るつもりで了承したところ、最終的に「ホテルから遠いからやっぱり行かない」と断られた。ちなみに皇治は当初10オンスで試合をするはずが、相手陣営の要望で12オンスに変更になったそうだ。
この一連の余波に皇治は「そうやけどまあ、マルコメ君(メイウェザー)が俺と対戦したら全部チャラにしたるわ」。ともあれ、メイウェザーの驚異的パフォーマンスの裏に、その要望に必死で応え続けた〝縁の下の力持ち〟がたくさんいたことを、我々は忘れてはいけない。












