下を向くな、前を向け――。大相撲九州場所3日目(11日、福岡国際センター)、大関琴桜(27=佐渡ヶ嶽)が小結高安(35=田子ノ浦)の内無双に屈して2連敗。早くも優勝戦線から大きく後退した。秋場所で痛めた右ヒザには分厚いサポーターを装着して出場しているが、元大関琴奨菊の秀ノ山親方(41=本紙評論家)は「不調の理由はケガではなく、精神的な部分」とぴしゃり。敗戦後の振る舞いについても、異例の注文をつけた。
琴桜は初日こそ白星発進したものの、2日目から2連敗。序盤で早くもV戦線から大きく後退した。この日は右おっつけで高安の攻めを封じにかかるが、その後に左をねじこまれると打つ手なし。最後は内無双に屈して土俵にバッタリと両手をついた。取組後の支度部屋では「今日はすいません。切り替えます」と消え入りそうな声で言葉を絞り出した。
秀ノ山親方は琴桜の相撲内容について「立ち合いから、その後の攻めまで全てが中途半端な印象。2日目に負けた霧島戦もそうだったけれど、後手に回る相撲になっている。琴桜の強みは体の柔らかさ、腰の重さ、前さばきのうまさ。結果を出さないといけない、勝たなければいけないという気持ちの焦りが本来の持ち味を消してしまっている」と分析した。
9月の秋場所は右ヒザを負傷して途中休場した。10月のロンドン公演にも参加せず、回復に専念。今場所は患部に分厚いサポーターを装着して土俵に上がっている。それでも、秀ノ山親方は「出場している以上、ケガは理由にならない。それも含めての相撲だから。今場所に限らず、この1年の不調は精神的な部分の弱さが結果に表れている」とズバリ指摘した。
兄弟子にあたる秀ノ山親方の目から見て、琴桜には相撲以外にも気になる点があるという。敗戦後の支度部屋で、常に意気消沈していることだ。「愛情を持ってあえて厳しく言うなら、負けて気落ちしてしまうのもダメなところ。消極的な相撲だから、後悔ばかりが残って気持ちも晴れない。小手先に頼って負けるのが一番もったいないし、いつまでたっても自信がつかない」と弟弟子に苦言を呈する。
その上で「自分の力を全て出し切って負けたのであれば、精神的に引きずることはないし、取組後も潔く『また頑張ります!』と胸を張って言うことができる。勝ち負けよりも、自分の相撲を取り切れるかどうか。それで負けたら、地力をつければいいだけのこと。やるべきことは大関の地位を守ることじゃない。ガムシャラに、もう一つ上(横綱)を目指してほしい」と力説した。
昨年の九州場所では14勝1敗の好成績で初優勝を達成。その後は低空飛行が続いている。最後に、秀ノ山親方は「九州場所は優勝した良いイメージが残っているはず。心の中のメーターを振り切って、相撲に対する熱い気持ちを取り戻してほしい」とエールを送った。琴桜は、ここから前年覇者の意地を見せることができるのか。












