大相撲名古屋場所初日(12日、愛知・IGアリーナ)、5月の夏場所で右太もも裏を痛めて途中休場の横綱豊昇龍(27=立浪)が、小結王鵬(大嶽)を渡し込みで下した。取組後は「落ち着いていた。休場明けだから緊張感はあるけど、今までやってきた稽古を信じてできた」と納得の表情を見せた。

 今場所で横綱在位9場所目。先場所は横綱審議委員会による稽古総見で最多の17番を取るなど好調をキープして臨んだが、2日目から無念の途中休場となった。師匠の立浪親方(元小結旭豊)によると、豊昇龍は周囲から横綱初Vを期待される中、休場してかなり落ち込んでいた。そのため、名古屋場所前に2人で話をして、プレッシャーを和らげるために「肩の力を抜いていけ。入れすぎるな」と伝えた。

初日は冷静に、王鵬(右)を渡し込みで下した豊昇龍
初日は冷静に、王鵬(右)を渡し込みで下した豊昇龍

 初日は盤石の相撲を見せたが、まな弟子の状態について「完璧ではない。(右太ももは)先場所から9割ぐらいは治っている」と説明。その上で「休場明けで稽古は足りてない。これは俺の考えだけど、優勝を気にし過ぎていた部分はあるので、優勝は考えずにいってほしい」と平常心の必要を強調した。今場所の〝ノルマ〟についても「最低でも二桁は必要でしょう。でも、それぐらいの気持ちでいったほうがいいのかな」と、あえて賜杯獲得は厳命しなかった。

 豊昇龍は師匠の親心を知ってか「ケガのことを気にしていたから、慌てず集中していい相撲を取れたと思う。今場所はケガをしないことが一番。それ以上は何も考えない。やることをやれば結果がついてくる」と力説。〝ノンストレス戦法〟で横綱初Vを目指す。