トランプ前米大統領は22日までに、邸宅マールアラーゴに機密文書を持ち出していた問題について、「大統領は念じるだけで機密解除できる」と主張した。つまり、持ち出したものは機密文書ではないという言い訳だ。米メディアでは「テレパシーで解除可能だと言い張っている」とあきれきった批判が出ている。

 現地時間21日、FOXニュースのショーン・ハニティとのインタビューで、トランプ氏はショーンに対し、「もしキミが大統領だとすると、『機密解除だ』と言うだけで機密解除できる。いや、頭の中で『機密解除』と思うだけでもいいんだ。だから、マールアラーゴに文書を送ることができる。大統領には手続きなんてものはいらない。大統領がすべてを決めるんだから」と話した。

 FBIは8月にトランプ氏の邸宅マールアラーゴを家宅捜索し、1万件以上の資料を押収。300件以上の機密文書が含まれていたという。

 押収した文書を巡っては、南部フロリダ州の連邦地裁が第三者の立場で検証する「特別管理者」を任命。検証完了まで司法省が文書を詳しく調べることが禁じられたが、連邦高裁は21日、司法省による文書内容の調査を認める決定を出した。

 審査を担当するレイモンド・ディアリー判事は今週、トランプ氏の弁護士に対し、文書が機密解除されたという証拠を提出しなければならないと語った。そこでトランプ氏は「大統領が頭の中で機密解除と念じれば、機密解除になる」と言いだしたわけだ。これに米メディアは「テレパシーで機密解除したと言い張っている」と皮肉たっぷりに批判している。

 確かにトランプ氏が大統領時、エスパー国防長官が就任していた時期があり、「トランプ大統領の側近にはエスパー=超能力者がいるのか」とジョークが出たことがあるが、さすがに今回の言い訳は苦しいだろう。