タレントで日本フェンシング協会会長の武井壮(49)は2日に都内で行われた理事会に出席し、日本代表が助成金で観光したと指摘された問題について見解を示した。タレントとして活躍しながら、わざわざ矢面に立たされる可能性がある協会のトップも務めるのか。直撃に答えた。
先月下旬に「週刊文春」が、エペの日本代表が日本オリンピック委員会(JOC)から助成金が出ているにもかかわらず、6月の沖縄合宿で観光やレジャーに興じていたと報道。この件を「合宿の内容や詳細をいつでも共有できる形になっていなかった」と反省した一方で、練習メニューなどを入念に確認し「休養と調整を兼ねた合宿で、十分必要な内容だった」と結論付けた。日本代表は15日から世界選手権に挑む。大一番に向けて、コンデションを整える本来の目的に沿っていたというわけだ。
競技団体会長となれば、このような対応もしなければならないが、直撃に応じた武井会長は、こんな思いを明かした。「スポーツ選手で競技だけで成功する人は非常に少ない。アスリートを支える人たち、例えば団体で働いている人たちもそうだが、いろんな人たちが給料をいただいて人生が成り立っているけど、アスリートだけがギャンブルのような状態では、安心して過ごせるアスリート界ができない。できれば選手たちが頂きにたどり着かなくても、たくさんの人に応援されて、自分の人生を豊かにすることができるスポーツ界をつくりたい」
昨年6月から会長に就任したものの、話題性から週刊誌などにマークされる機会が増えることを恐れ、五輪2大会銀メダルの太田雄貴前会長(36)による誘いを当初は断っていた。それでも陸上の十種競技で日本一に輝きながらアスリートとしては思うように知名度を上げられない日々を経験してきた武井会長だからこそ「私にできることは何かないのか」との思いにつながった。今後も自身が思うスポーツ界の理想へ向けて進んでいきそうだ。