現代文明人は「朝が来たから」「昼になったから」「夕食の時間だから」と大して空腹でもないのに、習慣的に1日3食食べている人がほとんどだ。

 中には大してお腹も空いてないのに「1日3食を食べないと健康に悪い」などという妄想に取りつかれ、塩や酢、砂糖や香辛料などの調味料を駆使して作られた美味しい料理を、「食べたくない」という本能に反して食べている人も少なくない。

 その結果、「食べすぎ」になり、「高脂血症」「高血糖(糖尿病)」「高体重(肥満)」など、「高」のつく「メタボ」(内臓脂肪症候群)で苦しんでいる人が多い。「メタボ」の該当者は、将来、心臓発作(心筋梗塞)や脳卒中をはじめ、種々の生活習慣病を発症しやすく、医療費高騰の一大要因になる、ということで、国をあげてその対策に乗り出すことになり、2008年4月1日から40~74歳の中高年を対象に「メタボ健診」が始まった。

「メタボ」は「食べすぎ」を是正すれば即、改善するのは、昔からの諺が証明してくれている。「腹8分に病なし」「腹12分に医者足らず」である。<12分>―<4分>=<8分>なのだから、この諺は「一食抜けば忽ち健康体になる」ことを示している。一食抜くには、仕事の都合や体調により、朝、昼、夕のいつでもよいが、理想は「朝食抜き」だ。

「メタボ」の人や、朝「Hungry(空腹)」でない人は、固形物の摂取をやめ、紅茶にハチミツや黒砂糖を入れて飲むとよい。人体を構成する約60兆個の細胞の活動源は糖なのだから、午前中の活動は存分に可能だ。

 朝食を抜くと「昼食」時や「夕食」時にはお腹が空き、どんな食べ物も美味しく感じる筈だ。Hunger is the best sauce(空腹にまずいものなし)なのである。

 ◆石原結實(いしはら・ゆうみ)1948年、長崎市生まれ。医学博士。イシハラクリニック院長として漢方薬と自然療法によるユニークな治療法を実践するかたわら、静岡・伊豆でニンジンジュース断食施設の運営を行う。著書は300冊超でベストセラー多数。最新作は生島ヒロシ氏との共著「70代現役!『食べ方』に秘密あり」(青春出版社)。