大相撲名古屋場所で初優勝を果たした幕内逸ノ城(29=湊)が、賜杯奪取の舞台裏を明かした。

 一夜明けた25日の会見では「ゆっくり寝れてホッとしました」と話すなど終始リラックスした様子だった。休場明けの今場所は横綱照ノ富士(伊勢ヶ浜)を破るなど初日から6連勝とスタートダッシュに成功。前日の優勝インタビューで「(優勝)できると思っていました」と胸を張ったが、いつから意識していたのだろうか。

 すると、逸ノ城は「正直に言うと6連勝したとき、もしかしたら行けるんじゃないかとか、そういうことを意識しました」。実は前半戦ですでにイメージしていたという。ところが、翌7日目から2連敗。「やっぱり考えすぎてちょっと意識しちゃっていたところがあったので、これはダメだなと思って。気持ち切り替えた」と平常心を取り戻した。

 千秋楽は幕内宇良(木瀬)を下して3敗を死守。横綱との決定戦を想定し「もう一番やれるように準備しながら(支度部屋の)テレビで見ていた」。

 ただ、照ノ富士が大関貴景勝(常盤山)に黒星を喫した。その瞬間、初優勝が決まり「めっちゃうれしかったです。決定戦をやりたいという思いは? そういうのは正直なかったですね。そうなれば自分の力を出し切るつもりでいたんですけど。大関に期待して、それで大関が勝ってくれてそれでホッとしました」と、当時の心境を打ち明けた。

 2014年秋場所の新入幕から8年。「今は大関、横綱関係なく平幕からも優勝できているので、そういうのを見て自分もいつか優勝できると思って。自信を持って頑張りました」。ヘルニアなどの故障を乗り越え、昨年初場所の大栄翔以来となる平幕Vを飾った。

 秋場所(9月11日初日、東京・両国国技館)は三役への返り咲きが確実。逸ノ城は「優勝したことをきっかけにして三役、大関を目指していきたいですね」と力を込めた。