日本の大エースの自覚とは――。北京五輪のスピードスケート女子で1000メートルの金を含む4個のメダルを獲得した高木美帆(28=日体大職)が16日、昨季限りでナショナルチーム(NT)のヘッドコーチを退いたオランダ出身のヨハン・デビット氏(42)と新チームを結成し、現役を続ける意向を明らかにした。前例なき道を選んだ高木に対して、関係者からはさらなる飛躍を期待する声が高まっている。
決意を固めた高木は、すがすがしい表情だった。かねてNTで強化を続けてきたが、この日都内で行われた会見で「NTが発足して8年。ずっと活動させていただいてきましたが、私の中で北京五輪という大きな目標が終わり、また一歩外に出てみてもいいのかなと考えている自分がいた」と心境を吐露。その上で「将来的にNTと他のチームが競い合い、高め合いながら日本のスケート界が盛り上がって、活性化する未来があればいいな」と展望を語った。
立場が変わるからこその決断だった。平昌五輪女子500メートル金メダルの小平奈緒(36=相沢病院)は、10月の全日本距離別選手権をラストレースにすると明言。頼れる先輩がリンクを去ることになった。高木に近い関係者は「もちろん彼女自身は口にはしないですが、次の日本全体を引っ張っていくのは私だという覚悟があると思います。今までは小平さんという大きい存在がいましたが、その次を担うとしたら美帆さんしかいない。先頭に立ってやっていかないといけないという自分自身の覚悟もあると思う」と心境面の変化を指摘した。
2度の五輪で7個のメダルを手にし、夏季を含めた日本女子最多記録を樹立。達成感から休養も選択視に入れていたこともあった。それでも、デビット氏の存在が高木の心を奮い立たせた。「4月にスケートを続けようと考えてから2か月間、私なりにたくさん考えた。最後に出てくる気持ちはヨハンと一緒に滑りたいな、まだ続けたいなという気持ちだった」。同関係者も「美帆さんにとって、ヨハンは絶大な信頼を置ける練習パートナー。北京五輪の時もですが、彼の存在は大きいというのを美帆さん自身も感じたでしょう」と2人の強固な関係性に目を細めた。
今後は未知の領域に挑むことになるが、各スポンサーも引き続きサポートに注力していく方針だ。化粧品製造販売「イフイング」のブランド「TOKIOインカラミ」の冬広應尚代表取締役社長は「高木選手がチャレンジしていく姿勢に対してより一層サポートしていきたい。ケガをせず納得いくまで挑戦し続けてほしい」とエール。周囲からの応援を背に、新たな世界へ足を踏み入れる。












