288円定食で話題の「定食酒場食堂」が大阪に進出した。自らを“夢追い人”と称する天野雅博氏(51)が手掛ける「定食酒場食堂」が東京・曙橋に1号店をオープンしたのは2016年。4号店となる大阪店では24日のオープンに先立ち22、23日にプレオープンイベントが開催され「東京まで年20回ほど食べに行っていた」というコアなファンが喜んだ。関西初出店を果たした天野氏は、さらなるプランもブチ上げた。

 プレオープンのため来阪した天野氏は「ネットを見て、関西から食べに来てくれてたお客さんが『なんで大阪にないん?』『この店こそ大阪にあるべき。こんな店がないのは大阪の恥』と言ってもらってた。大阪にも出せたらなと思っていたら『やりたい』と声をかけていただいた」と出店の経緯を語る。

 手を挙げたのは大阪・西天満の居酒屋「ゆくる」。これまで「定食酒場食堂」は新規店舗の出店(札幌、東京・大田区新丸子)のみだったが、初の既存店舗へののれん分けとなる。ランチタイム営業は午前11時30分~午後2時、夜は午後5時から。大阪地裁のすぐ近く、大阪一の歓楽街・北新地は道路を挟んですぐという絶好のロケーションにある。

 もともと「ゆくる」は沖縄料理を中心にした居酒屋だったこともあり、店長の青田親一氏は「288円定食はもちろん、肉吸いやホルモンを使ったちりとり鍋、沖縄そばといった大阪店独自のメニューを盛り込みたい。天野さんからも『大阪で評判になったら、東京でも考えるよ』と言ってもらっています」とオリジナルメニューを考案。8月には東京に足を運び、天野イズムをみっちり叩き込まれた。

「『安かろう悪かろう』ではなく、味にも自信を持っています。288円は(経営的に)厳しいところもあると思いますが、年配の方に元気になってもらうことをコンセプトに、地域に根付いていきたい」(同)

 天野氏も「僕も定期的に大阪に来て厨房に入りますよ。ここを西日本の旗艦店にして、新たに開業したいという声を頂ければ、ここで研修してもらうつもり」と、さらなる展開に自信を見せた。

 定食酒場食堂では“孤食”を余儀なくされている小中高校生を対象に食事を無料で提供する「子ども食堂」もこれまで行っているが、大阪店では来年4月の改正健康増進法の全面施行で「店内での喫煙が0か100の選択しかない。年配の方を大切にしたいというのがあるので、現時点では子ども食堂の導入は難しい」と青田氏。

 子ども食堂をめぐっては先日、神奈川県川崎市で食堂を運営するNPO法人の理事長が、参加していた双子の男児2人を蹴ったなどとして、暴行容疑で逮捕される事件が起きた。同理事長は「おしゃべりをやめさせるためで暴行ではない」などと容疑を否認したというが、天野氏は「最悪だよね。ワイワイ騒ぐのが子供であって、大人が我慢しなくてどうする。NPO法人の子ども食堂って国から助成金ももらってさ。孤食の子供が来て、腹いっぱい食べて帰ればいい。それだけのことですよ」と切り捨てた。

 天野氏にはさらなる構想もある。「朝食堂居酒屋」の出店だ。

「店の名前は『定食酒場食堂~生麦生米生卵~』。時間は朝の5時から午後3時まで。チョイ飲みして1000~2000円。実は朝から飲める定食屋ってないんですよね。囲碁や将棋、オセロとか置いておくつもりなんで、集いの場にしてもらえたら。今年中には東京・四谷かいわいで実現させるつもり。朝から納豆食って飲んでほしい」

 関西初出店とともに、こちらも目が離せない。