1975年まで日本全国で走っていたD51型蒸気機関車が、解体の危機にさらされている。同機関車は、「デゴイチ」の愛称で呼ばれ、蒸気機関車でもっともポピュラーな形式だった。この愛称は鉄道ファンならずともよく知られている。

 解体されるのは、東村山市恩多町の運動公園に保存されている「D51 684」。1942年3月に製造され、関西や東北、北海道で走ってきた。現役を引退してからは、この公園に保存されていた。しかし、40年以上がたち、老朽化したことによって解体・撤去されることになった。

 この車両は長年、風雨にさらされたことから、ボロボロになっている。すでに正面のナンバープレートはなくなり、シリンダーカバーはサビて穴が開いている。8月下旬には解体を知らせる掲示板も設置された。

 東村山市は解体の費用として約2000万円を含む補正予算を計上。修繕する場合は1億2000万円かかるという試算も出ており、市は修繕を断念した。そんな中、解体に待ったをかけているのが、6月末に結成された保存会だ。

 この保存会は「貴重な文化遺産を守りたい」という趣旨で集まった有志によって結成され、全国のSLファンから応援のメッセージが寄せられている。

「東村山D51 684保存会」事務局の岩間弘氏はこう語る。

「保存するための提案や要請を市にしているのですが、市民の声に耳を貸さない状態のまま、解体作業の準備が進んでいます。署名も2500人ほど集まり、すでに提出済みです。このままだと市民の文化遺産が無になってしまいます。まだ時間がありますので、活動を続けていくつもりです」

 現在、車両全体を覆っていたアスベストの除去作業が始まっている。その後、今月下旬ごろから本格的な解体作業が行われる予定だ。すべての作業が終わるのは10月下旬になる予定だという。

 デゴイチの運命は本当にギリギリのところまできている。