【取材の裏側 現場ノート】様々なドラマを生んだ北京五輪は20日に閉会式を迎える。冬季競技の大舞台が終わった後からは記者の担当分野の一つであるゴルフもシーズンが本格化。松山英樹(29=LEXUS)が4月の「マスターズ」で連覇できるかが注目なのはもちろんだが、やはり渋野日向子(23=サントリー)が米女子ツアーのルーキーシーズンで勝てるのかは気になるところだ。

 すでに2019年「AIG全英女子オープン」で勝っている渋野に対して「勝てるのだろうか」は失礼かもしれないが、今は〝その時〟の渋野ではない。昨年にはあえて着手したスイング改造の影響で特に前半は調子が上がらず、疑問の声が本人にも届いていた。それでも初志貫徹で昨秋には国内ツアー2勝を挙げて復活。昨年12月の米ツアー最終予選会も突破した。スイング改造は〝吉〟と出ている中、よりレベルの高い舞台でも通用するかどうかは大いに関心がある。

 そんなことを考えながら過ごしていたある日、日本ゴルフツアー機構元会長の小泉直氏(82=現・顧問)から電話で連絡があったときのことだ。用件が済んだ後、小泉氏は「渋野さんは今年勝つでしょう」と断言。かねて「これでは私の持論ですが、彼女はAB型。米国でもいい意味で自分を見失わないでやっていけると思います」との言葉も聞いていたが、「勝てる」とまでは言ってなかった。さらに踏み込んだ意見になっていた。

 栄光をつかんだ後、不調にあえいだ時期を経て復活した者は強いという主旨だったが、記者は直感に近いもののように感じた。つまり渋野のゴルフに対する姿勢は、大きな結果を期待させてしまうわけだ。時に大叩きもあり、ハラハラドキドキさせる一面もファンのハートをつかんでいるのと同じような感覚かもしれない。渋野は「HSBC女子世界選手権」(3月3日開幕、シンガポール)で今季初戦を迎える。

(ゴルフ担当・森下久)