【石原結實 食の金言】江戸時代の医師で養生学者の貝原益軒(1630~1714)の「養生訓」の中に

「酒は天の美禄なり。少し飲めば陽気を助け、血気を柔らげ、食気をめぐらし、愁いを去り、興を発して、甚だ人の益あり。多く飲めば又人を害する事、酒に過ぎたる物なし。…人の病、酒によって得るもの多し。酒を多く飲んで飯を少なく食う人は、命短し。かくのごとく多く飲めば、天の美禄をもって、かえって身を滅すなり。悲しむべし」とある。

 正に、酒の何たるかを言い得て妙の名文である。

「毎日、酒5合を20年間飲み続けると肝硬変になる」とよく言われるが、その量は人によりけりで毎日3合以下でも、体質的に酒に弱い人は以下の如き症状を呈して、徐々に「慢性アルコール中毒」に陥っていく。

 ①常時、酩酊気分を求める(逃避現象)

 ②持続力、意志力、高度感情に障害が発現(抑制力の欠如、人格の荒廃)

 ③身体的障害

 ・肝臓→アルコール性肝炎、肝硬変

 ・胃腸→胃~十二指腸潰瘍、痔、下痢

 ・すい臓→急性~慢性すい炎

 ・心血管系→高血圧、高血圧性心臓病、不整脈、脳出血、脳梗塞

 ・多発性神経炎

 ・アルコール精神病(痙攣発作、幻覚、妄想…)

 ④最終的には家庭崩壊、離婚も…

 よって、上戸の人はこうした悲劇的「アルコール中毒」に陥らない為には「週1~2回の休肝日を設ける」「運動、サウナ(お好きなら)を励行し、アルコールに強い体を作る」…などの努力が必要である。

 ◆石原結實(いしはら・ゆうみ)1948年、長崎市生まれ。医学博士。イシハラクリニック院長として漢方薬と自然療法によるユニークな治療法を実践するかたわら、静岡・伊豆でニンジンジュース断食施設の運営を行う。著書は300冊超でベストセラー多数。最新作は「コロナは恐くない 恐いのはあなたの『血の汚れ』だ」(青萠堂)。