三重県松阪市の高校3年波田泉有(はだ・みう)さん(18)が、同県伊勢市の虎尾山で同級生の男子生徒に刺殺された事件で、殺人容疑で逮捕された男子生徒(18)が事件当日の9月28日の夜、無料通信アプリLINEで友人らに「波田さんを殺害した」とのメッセージを送っていたことがわかった。依然として殺害に至るまでの経緯には謎が多いが、2人の関係については学校側が親友を強調する一方で、一部の生徒たちからは「親友よりは一歩進んだ関係だった」などと、親密な関係との証言もある。


 銀座泰明クリニックの茅野分院長(精神科・心療内科)は、波田さんを「ボーダーライン・パーソナリティー障害(BPD)の可能性がある」とし、男子生徒は「ナルシシストで人を支えたい気持ちが強かったのではないか」と分析。2人の間に思春期特有の“友情を超えた愛情”が芽生えたことで、普通では起こり得ない嘱託殺人が成立した可能性があるとみる。


 捜査関係者によれば、男子生徒は「波田さんから複数回にわたり殺害を依頼された」との趣旨の供述をしているという。ある生徒は「(男子生徒は)一生懸命いろんな人の相談に乗る人だったけど、相談にのめり込みすぎるところがあった。波田さんの自殺願望に共感して殺してしまったのでは」と話す。


 BPDは女性に多い障害で人からの愛情に飢えてかまってほしい願望が強いが、こうした女性と深い関係になりやすいのがまじめな男性。男子生徒は風紀委員を務めるなど学校でも家庭でも優等生だったという。


 男子生徒は28日午後5時10分ころ、波田さんを殺害し、午後7時ごろにLINEで友人たちに居場所と殺害を伝えるまで、約2時間も現場にとどまった。ネットのミニ掲示板にある波田さんの彼氏とみられる人物の書き込みでは、波田さんに心中未遂の過去があったという。男子生徒も心中の依頼を受け、現場にとどまった2時間、自らも命を絶とうと逡巡(しゅんじゅん)していた可能性もいまだ残っている。