ついに〝聖域〟にメスが入る。MLBは23日(日本時間24日)に2026年シーズンから全試合で〝ロボット審判〟による「自動ボール・ストライク判定システム(ABS)」を導入すると正式発表。試合は従来通りに球審の判定を基本としつつ、1試合につき2回まで投手・捕手・打者が「チャレンジ」で球審の判定に異議を唱えられるようになり、そのジャッジの際にABSが用いられる新制度だ。一方で野球の根幹を揺るがしかねない改革だけに、現場はスプリングトレーニング開始前から大いに揺れている。
そんな中、強気な姿勢を隠さないのがフィリーズのロブ・トムソン監督(62)だ。米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」に対し、ABSについて「素晴らしい。昨春のスプリングトレーニングでも試して、多くの選手も審判も気に入っていた」と断言。元捕手らしく「フレーミングの価値は消えない。チャレンジは2回だけだ」と、捕手の技術が依然として勝敗を左右すると強調した。
実際、フィリーズのチーム内での受け止めも前向きだ。ベテランのJ.T.リアルミュート捕手(34)は新システムに高い関心を示し、左腕タナー・バンクス投手(34)も「審判を責める話ではない。一貫性の問題だ」と理解を示す。打者側でもゾーン感覚に優れるブライス・ハーパー内野手(33)や長距離砲のカイル・シュワバー外野手(32)らがABS導入に賛同しており、ボール球での理不尽な三振が減る効果に期待が集まっているという。
ただ、エース左腕のクリストファー・サンチェス投手(29)は「好き嫌いは別として、適応するしかない」と慎重姿勢。それでも誰もが口をそろえるのは「避けられない流れ」という現実だ。
AI時代の到来とともに、野球も変わる。ABSは審判の権威を奪う装置ではなく、ゲームの公平性を補強する〝保険〟ということか。少なくともトムソン監督率いるフィリーズは、その変化を恐れず、むしろ先頭に立って〝新しい野球〟に取り組む覚悟をすでに固めている。












