ヤンキース主砲の負傷離脱が、まさかの〝副作用〟を生むことになりそうだ。スペイン老舗メディア「マルカ」の米国版は、ヤンキースがジャンカルロ・スタントン外野手(35)の外野復帰を検討し始めたことで、ファンの間で物議を醸していると伝えた。

 主砲のアーロン・ジャッジ外野手(33)が右ヒジの故障で負傷者リスト(IL)入り。代役として白羽の矢が立ったのが、近年はDH専任となっているスタントンだった。チーム事情から一時的な措置として、外野守備に復帰するプランが急浮上。スタントンは「できることなら何でもするつもりだ」と語り、ブーン監督も「柔軟性が必要だ」とベテランの外野起用プランに前向きとなっていることを明かしている。

 だが前出の「マルカ」は「コーチングスタッフ内でも、スタントンが現在のMLBの守備要求に適応できるかどうか疑問視されている」と指摘。XなどSNSではヤンキースファンの間で「滑稽だ」「大惨事になるぞ」「本気でやるつもりか?」といった声が急増し、米国内で「スタントンの外野守備」が一時トレンド入りする騒ぎとなった。

 スタントンはマーリンズ時代から外野手として長年活躍し、これまで通算1100試合以上で守備に就いた実績を持つ。しかし近年、ふくらはぎや肘のケガに悩まされ、昨季の外野出場はわずか31試合。今季もほぼDHとしてプレーしており、守備勘の鈍りとケガの再発を懸念する声は根強い。

 一方、スタントン自身は「チームにとって最善のことをする」とコメントし、守備再挑戦に意欲を見せた。ただし「ブランクを埋めるために調整が必要」とも語っており、万全とは言い難い状況だ。

 今季のスタントンは29日(同30日)現在、30試合出場で打率2割7分5厘、7本塁打、20打点と打撃こそ復調の気配を見せつつある。だが、ファンの最大の懸念は守備起用が打撃に悪影響を与えること。特にスタントンの身体は年齢面とともに繊細さが増しており、守備による負荷がパフォーマンス低下や再離脱を招くリスクも否定できない。

 チーム再建のための苦渋の決断か、それとも〝悪手〟となるのか――。ヤンキースの一手は、今後も議論の的となりそうだ。