レスリングの全日本選手権(東京スポーツ新聞格技振興財団協賛)初日(16日、駒沢体育館)、男子フリー97キロ級決勝で、石黒峻士(24=新日本プロレス)が吉田ケイワン(22=日大)を2分39秒、テクニカルフォールで下し、この階級で初優勝。2017年の92キロ級に続く2階級制覇を果たした。

 パワー殺法で面白いように得点を奪った。セコンドを務める新日本の永田裕志監督(53)の目の前で、相手を倒しグラウンドで連続回転させ10―0の圧勝。「家族や監督、(永田克彦)コーチにすごくサポートしてもらった。いい出来だったと思う」(石黒)と合格点を出した。

 課題のスタミナ不足を補うため、永田監督は自自身の母校・日体大のグレコローマンチームに石黒を3週間入門させた。「バテないためにはグレコの差し合いが効果的。最初はヘロヘロだったけど、ついっていった。今日は動きに余裕があった」とミスターも納得の試合運び。疲れを知らぬ怪物へ成長した。

 今回の優勝で9月のアジア大会(杭州)代表の座を手にした石黒。「アジアで戦えないと世界では勝てない。イラン、モンゴルとやり合える実力を付けたい」と、さらなるモンスター化を誓った。