テニス男子の世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(34=セルビア)が新型コロナウイルスのワクチン接種拒否により4大大会で〝出禁危機〟に直面している問題で、同選手が一転して全仏オープンに出場できる可能性が浮上した。

 ジョコビッチはワクチン接種拒否を巡ってオーストラリア政府から強制退去を命じられ、今後の4大大会も出場できない見見通しとなっている。次戦となる5月開幕の全仏オープンもフランス政府の閣僚がワクチンを接種しなければ入国させない方針を示唆。同国紙「レキップ」も「ワクチン接種を受けたテニスプレーヤーだけがローランギャロス(会場)に参加できる」と報じ、ジョコビッチの全仏出場は絶望視されていた。

 しかし、ここへきて風向きが変わってきた。セルビア紙「ブリック」は「最新情報でノバクにとって朗報だ! 一定の条件を満たせば、ジョコビッチは次のグランドスラムでプレーすることができる」と全仏出場の可能性が急浮上したことを報じた。

 同紙によると、フランスのジャン・カステックス首相が、長期的に病床のひっ迫が大幅に改善した場合、ワクチン接種を求める措置を緩和する可能性を示した。オリビア・ベラン保健大臣も「集中治療室にいる人が1000人に満たない昨年8月のような病院の状況」を例に挙げて、感染対策のための各種規制を緩和する方針を示唆した。

 こうした点を踏まえて同紙は「プレーヤーが以前にウイルスに感染したことがある場合に、プレーできるかどうかは現在のところはっきりしていない」と指摘。ジョコビッチのように大会から逆算して比較的近い時期に感染歴がある選手は、ワクチン接種の義務を免除される〝特例〟が今後検討される可能性があるという。

 ジョコビッチは最終的に、全仏に出場することができるのか。世界中が固唾をのんで動向を見守っている。