テニスのマドリード・オープン男子シングルス1回戦(4日)を突破した世界ランキング43位の錦織圭(31=日清食品)が大会制覇に向けて2つの不安を明かした。

 日本のエースは同23位のカレン・ハチャノフ(24=ロシア)に6―7(6―8)、6―2、6―2で逆転勝利。2回戦でアレクサンダー・ズべレフ(24=ドイツ)と対戦する。試合後、錦織は「出だしはあんまり良くなかったです。ディフェンシブでボールの感覚が良くなくて。第2セットから振り切ってやれたかなと思います」と振り返った。

 今大会は2014年の準優勝をはじめベスト4が2回、ベスト8が2回と錦織にとっては相性の良い大会だけに、19年1月ブリスベン国際以来となるツアー優勝への期待が高まっている一方で、本人には不安があるという。その1つがサーブだ。特に第1サーブの成功率は59%とあって錦織は「ずっとダメでした。1番の反省点。明日には直したい」と言うほどだ。

 2つ目の不安はビッグサーバーとの対戦。普段からツアーで激突しているが、今大会の会場は標高が高い場所にあり、空気が薄いため、通常よりもボールも伸びる。錦織は2回戦で強烈サーブが武器のズべレフと対戦することもあって「ビッグサーバーと高地でやりたくなかった。ボールが飛んでしまったり、処理が難しい」と嘆いた。

 右ヒジ手術などから完全復活を目指しているだけに、得意のクレーコート(赤土)で優勝という結果を出したいところ。錦織も不安はあるものの「早く慣れてくれればプレーもよくなってくれるんじゃないかな」と前向き。課題を克服し、2年半ぶりのツアー制覇を実現できるか。